研究課題/領域番号 |
15K11125
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
尾立 達治 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (60214152)
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研究分担者 |
川上 智史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (00169682)
舞田 健夫 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40229282)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
齊藤 正人 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50337036)
植原 治 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (00709248)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ホップ / S. mutans |
研究実績の概要 |
超高齢社会が進展することで,う蝕(根面う蝕,二次う蝕)や歯周炎に罹患した現在歯数はさらに増加することが予想され,それらを改善することによる口腔細菌由来の基礎疾患の予防も重要である.そのため,プラークの付着を抑制することが求められる.これまでにホップ成分がう蝕原細菌S. mutansに対してどのように作用するかについて報告がない.本研究では,ホップの抗菌成分(イソフムロンなど)のS. mutans への影響を評価することを目的としている. 本年度の実施計画としては,昨年度の抗菌効果のデータをもとにグルコシルトランスフェラーゼ関連遺伝子について探索する予定であったが,ホップ成分の抗菌メカニズムを網羅的に明らかにするため,次世代シーケンサーを用いたmRNA-Seqによる細菌トランスクリプトーム解析を行った.さらに,ホップ成分の歯肉上皮細胞に対する細胞毒性と炎症性サイトカイン(IL-1b, IL-6, TNF-a)の産生についても測定した.mRNA-Seqによる細菌トランスクリプトーム解析は,ホップ成分を添加し培養したS. mutansからRNAを抽出し,rRNA枯渇処理を行い,シーケンスにより得られたデータをマッピング後,遺伝子発現の解析および発現領域を確認した.また,ホップ成分は昨年度得られた最小発育阻止濃度(MIC)の認められる濃度で培養すると細胞毒性を示し,炎症性サイトカインが上昇することも明らかになった.以上の結果から宿主および病原因子に対しての適正な使用濃度の検討も必要であると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の達成目的からやや遅れている理由としては、時間的な制約がある中での実験条件を設定するために費やす時間が多く、予定通りの進歩状況ではないが、次年度以降引き続き研究遂行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータを用い既知のデータベースを基にタンパク質相互作用(Iron/hemin acquisition, Energy metabolism and electron carriers, Cell envelope and cell division, RibosomeおよびTransposon functions)のネットワークを分析する.また,リアルタイムRT-PCR法による再現性の確認を行う.
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