研究課題
象牙芽細胞に高pH(アルカリ性)刺激を行うと、細胞外カルシウムイオン濃度依存的な細胞内カルシウムイオンシグナルの増幅が見られる。その高pH刺激はtransient receptor potential A1チャネルにより受容されている。しかし、高pH環境の石灰化に対する影響とtransient receptor potential A1チャネルの石灰化に対する寄与は不明である。加えて、象牙芽細胞におけるtransient receptor potential A1チャネル以外のアルカリ感受性タンパク質も不明である。そこで、本研究では象牙唆細胞においてアルカリ感受性タンパク質とアルカリ刺激の石灰化に対する影響を検討した。平成29年度までに象牙芽細胞にストア依存性カルシウム流入が発現していること、P2Y受容体、ムスカリン受容体活性化によりストア依存性カルシウム流入が誘発されること、アルカリ刺激でストア依存性カルシウム流入が増幅されることを明らかにした。平成30年度はある膜タンパク質アゴニストXの石灰化に対する影響とCa2+排出系である細胞膜Ca2+ ATPaseとNa+-Ca2+ ATPaseの生理的条件における石灰化への寄与を検討した。細胞はヒト培養象牙芽細胞(HOB細胞)を用いて、3週間培養後、alizarin red染色、von Kossa染色を行うことで石灰化レベルを評価した。ある膜タンパク質アゴニストXの投与で石灰化レベルは増加したが、細胞膜Ca2+ ATPaseまたはNa+-Ca2+ ATPaseの抑制薬の投与で石灰化レベルが低下した。
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Frontiers in Physiology
巻: 9 ページ: -
10.3389/fphys.2018.00443
Journal of Physiological Science
巻: 69(2) ページ: 199-209
10.1007/s12576-018-0635-3