研究課題
近年閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea: OSA)は,日中傾眠による仕事の能率低下,運転事故等で社会生活に支障を来すだけでなく,生活習慣病を悪化させることが知られており,社会的な認識も高まりつつある.我が国では重度のOSAには持続陽圧呼吸(Continuous Positive Airway Pressure; CPAP),軽度~中等度のOSAには口腔内装置(Oral Appliance: OA)が保険適用される.しかし重度のOSAにおいてもOAが有効な場合は多く,大がかりで圧迫感を伴うCPAPはコンプライアンスが低く,OAを希望する患者もいるため,医科でも歯科のOA療法の有用性が認められつつある.また近年,睡眠検査の精度向上に伴い,米国睡眠学会でもOSAの診断に簡易型の睡眠検査の導入を認める傾向にある.本研究では簡便で非接触の赤外線センサーを利用した計測装置を使って,無呼吸の状態を分析し,さらに下顎と舌の両者を突出する装置を考案し,その効果を判定することを目的とした.今年度はOSA症例に対し,下顎と舌の両者を前突するソフトタイプのOAを適用し,簡易睡眠検査を行い,OSAの状態を分析した.また非接触の赤外線センサーによる計測装置に改良を加え,センサーの設置位置に工夫を加え,水平位のヒトの睡眠状態,呼吸,脈動等を高い精度で計測できることを確認した.さらに下顎・舌前突型OA装着時の睡眠状態を新システムで計測し,測定精度を検証した.
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睡眠口腔医学
巻: 4 ページ: 138-144