研究実績の概要 |
H27年度はインテリジェント人工骨に用いる骨形成促進作用を示すポリリン酸およびPTHの作用を検討し,これによりPTHの投与が骨形成を促進することが確認でき,インテリジェント人工骨に対しても相互的に作用する示唆が得られた. H28年度は副甲状腺ホルモン(PTH)の間歇投与およびポリリン酸吸着人工骨(インテリジェント人工骨)のステロイド性骨粗鬆症条件下における骨欠損部の骨形成および骨質改善の評価を行い,骨再建効果の有用性を検討し,ステロイド性骨粗鬆症条件下においてインテリジェント人工骨およびPTH投与群は有意に骨形成促進効果示し,また骨質改善効果を持つことが明らかとなった. H29年度は骨質改善部に埋入されたインプラントの骨支持能の検討を行った.ステロイド性骨粗鬆モデル動物を準備,左側大腿骨関節頭部に骨欠損を形成し骨移植材を埋入した(反対側は未処置としコントロールとした).埋入材料の条件設定を,①ポリリン酸結合人工骨+PTH ②既存骨(右側;欠損作成しない未処置)+PTH ⇒PTH投与群③ポリリン酸結合人工骨のみ ④既存骨(右側;欠損作成しない未処置)⇒生食水投与群,とした.骨移植材埋入から4週後,両側大腿骨関節頭部にインプラント体の埋入を行った,インプラント埋入から8週後,インプラント体の除去トルクを測定,他方はISQ値の測定を行い定量的骨支持評価をおこなった.初期固定:埋入時の埋入トルク値およびISQ値の測定・インプラント支持能 :除去トルク値およびISQ値の測定,骨・インプラント接触率の測定,をそれぞれ行い,骨質改善部に埋入されたインプラント支持能の評価を行った.結果では埋入条件①および②が埋入時の初期固定であるISQ値が有意に高く,また評価時点でのSQも同様に高い値を示した.組織標本より測定した骨面積率および骨インプラント接触率も相関し高い値を示した.
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