研究課題
基盤研究(C)
窯業分野における絵付技法がジルコニア製審美歯科補綴装置の色調再現へ応用できるか検討した。臨床応用で最も問題となる摩耗による退色および表面粗さの増加を現行の歯科用ステインと比較した結果、窯業において上絵付で用いる転写紙を0.112 mm程度の厚みでジルコニアに焼き付けた場合に、歯科用ステインと同等以上の歯ブラシ摩耗耐性が得られることが判明した。転写紙の厚みが適切であれば、上絵付技法は十分に歯科臨床に応用できると考えられた。
歯科補綴学
現在の歯科補綴装置は、特に審美的な材料の物性や色調再現性、経済性等が問題視されている。本研究では、美しい補綴装置を簡便に作製することを目的として、陶磁器製造技術の一つである絵付技法が補綴装置の色調再現に応用できないか検討した。その結果、審美歯科補綴装置は、窯業分野技術の導入により安価で簡便に製作できる可能性が示唆された。この結果は、窯業と歯科の異分野技術の融合による新しい歯科技術の創出の可能性も示唆した。