| 研究課題/領域番号 |
15K11165
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| 研究機関 | 長崎大学 |
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研究代表者 |
吉田 圭一 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (70230729)
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| 研究分担者 |
平 曜輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40226725)
鎌田 幸治 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (60264256)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | ジルコニア / アルミナブラスティング / 焼結 / 表面性状 |
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| 研究実績の概要 |
直径10 mm, 厚さ2 mmのジルコニア試験片に対し、平均粒径約70μmのアルミナを使用し、焼結前は0.1 MPa, 5秒、焼結後は0.2 MPa, 20秒の条件でブラスティングを行った。また、穴をあけたアクリル板を使用し、直径6 mm, 厚さ2 mmのディスク状のデュアルキュア型支台築造用コンポジットレジンを作製した。
焼結前後にアルミナブラスティングしたそれぞれのジルコニア試験片と支台築造用コンポジットレジンを3種類のセルフアドヒ－シブレジンセメントで接着した。これはレジンコアで製作した支台歯にジルコニアクラウンを装着することを想定している。接着試験片作製後、37℃水中に24時間浸漬したものとその後4℃と60℃の水槽に交互に1分間浸漬する熱サイクルを1万回行うものを作製した。その後オートグラフを使用し剪断接着強さを測定した。
その結果、3種類のいずれのセルフアドヒーシブレジンセメントにおいても、アルミナブラスティングを行わなかった場合には熱サイクル後の接着強さは熱サイクル前の半分以下の値に低下した。これに対し、焼結前・後いずれにアルミナブラスティングを行っても、熱サイクル後は熱サイクル前とほぼ同等の接着強さを示し接着耐久性が認められた。
以上のことから、ジルコニア焼結前にアルミナブラスティングを行っても、従来行っていた焼結後にブラスティングした場合に匹敵するレジンセメントとの接着耐久性が得られたことから、その有効性が確認できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度に当初予定していた、焼結前にアルミナブラスティングしたジルコニアの各種セルフアドヒーシブレジンセメントとの接着耐久性の評価を行ったからである。
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| 今後の研究の推進方策 |
焼結前後にアルミナブラスティングしたジルコニアの低温劣化の評価
ジルコニア修復物を口腔内に長期間装着した場合を想定し低温劣化の加速試験を行う。焼結前後にブラスティングした、直径10 mm、厚さ2 mmの円板状と2×2×25 mmの棒状のジルコニア試験片をそれぞれ作製する。それら試験片を134℃、3気圧の水蒸気下に16, 32, 64, 128時間放置する。X線回折装置を使用し、円板状の試験片表面の単斜晶の含有率を分析する。一方、棒状の試験片で3点曲げ強さの測定を行う。焼結後にアルミナブラスティングした場合、表面には単斜晶に結晶転移したものが存在するので、過酷な条件下で単斜晶含有率の増加と曲げ強さの低下が起こると考えられる。焼結前にアルミナブラスティングした単斜晶が存在しないものと比較検討する。
ジルコニア焼結後にアルミナブラスティングした試験片の3点曲げ強さは、表面に単斜晶が存在することで向上するという報告が多い。一方、著者らの研究では、仮焼結体にアルミナブラスティングした後に1000℃まで昇温した場合に単斜晶は存在しなかった。したがって、本焼結した場合にも単斜晶は存在せず、初期の曲げ強さは向上しないと予測できる。単斜晶の存在で初期の物性は向上するが、ジルコニアの低温劣化は回避しがたいので、初期の単斜晶の存在が低温劣化を誘発し加速するのかも検証する必要がある。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった消耗品の購入が年度内に間に合わなかったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成29年度早々に購入し使用するので何ら問題ない。
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