研究課題/領域番号 |
15K11176
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
秋山 仁志 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60231841)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 簡易型維持力測定装置 / 部分床義歯 / 鉤歯 / 維持力 / 維持装置 / クラスプ / RF値 / ペリオテスト |
研究実績の概要 |
開発したチェアサイドで簡便に計測可能な簡易型維持力測定装置を用いて,作業用模型に装着した各種維持装置の維持力の数値化を行った。その結果、臨床応用に対応するための基礎的なデータが確認できたため、2016年6月23日~2016年6月26日にかけて、第94回International Association for Dental Researchにおいてポスター発表を行った。質疑応答時間にて、各国の参加者と意見交換を行い、開発した本測定装置について、いずれの質問者からも「ナイス・グッド・アイデア」との評価をいただくことができた。 さらに、部分的な歯の欠損がある患者に装着された部分床義歯の維持装置の維持力の測定を行うことで、新たな義歯調整方法を確立することを目的として、部分床義歯を装着した患者の鉤歯について、ペリオテストM(㈱東京歯科産業)を用いて維持歯のペリオテスト値(PT値)の測定、開発した簡易型維持力測定装置を用いて維持装置の維持力測定値(RF値)を継時的に測定した。部分床義歯装着患者の新義歯装着時、定期的にメインテナンス時にRF値を計測し、RF値が減少している場合、新義歯装着時と同様なRF値になるように適切に維持力の調整を行った。またPT値に関しては、メインテナンス時にPT値に変化が生じていないことを確認した。 本測定装置とペリオテストMを用いて部分床義歯装着患者の維持力、歯の動揺度を含めた維持管理を行うことで、部分床義歯装着患者に新たな方法で義歯調整が行えることが可能となり、臨床応用を行い、患者データを集積し、分析を行っている。 研究成果については、2016年7月8日~2016年7月10日にかけて、公益社団法人日本補綴歯科学会第125回学術大会にてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の進捗状況については、研究計画書に基づいて適切に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、平成27 年度、平成28 年度の研究成果を踏まえて、チェアサイドで簡便に使用できる簡易型維持力測定装置のさらなる改良を試み、装置の精度の向上を図る。また、平成28年度と同様に、継続的に部分床義歯装着患者の経時的な維持力測定を行い、データを蓄積し、分析を行う。蓄積されたデータを基に、部分床義歯の適切な取り扱い方法について、部分床義歯の維持力の観点からみた新たな義歯の取扱いマニュアルを作成し、維持歯の特性を配慮した口腔ケアとメインテナンス方法を構築し、患者に提供を行う。さらに本装置における産学共同の成果を図るために、本研究に賛同を得た企業と装置の市販化について検討し、一般歯科臨床で使用できるように、医療用機器として、今後の対応を図っていく。 研究結果については、公益社団法人日本補綴歯科学会第126 回学術大会にて研究報告、ならびに31st International Association for Dental Research South-East Asia Divisionにて研究報告を行う。 3年間の本研究の成果についてはJournal of Prosthetic Dentistryに論文投稿予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
95th General Seesion & Exhibition of the International Association for Dental Researchにて研究報告を行わなかったため、外国旅費の扱いに差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に International Association for Dental Research, South-East Asia Devisionにて研究報告を行う。
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