研究課題/領域番号 |
15K11177
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
小出 馨 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (00161852)
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研究分担者 |
佐藤 利英 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10267239)
水橋 史 (高橋史) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (60386266)
高橋 睦 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (80565010)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スポーツ / 咬合 / 下顎位 / 動的解析 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、「研究の目的」にあるスポーツ時の各姿勢をとった際の下顎位が筋に及ぼす影響と、各姿勢の下顎位に応じた咬合の設定を行った場合に筋に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、野球の選手を想定してバットのスイング時と投球時の運動について動作時の身体各部の動きを分析した。 身体各部の動きを分析は、平成28年度の研究実績から、マーカーの軌跡からその角度、距離、速度を個別に表示し、検証した。マーカーは、左右の膝、足関節、爪先に設置し、バットのスイング時と投球時の運動角度、運動距離、速度をToMoCo-Liteを使用して解析した。 測定の際には、実際のスポーツ時を想定して、各被験者にスプリントとマウスガードを咬合器上で製作し、スプリントとマウスガード装着前、スプリントとマウスガード装着時およびスプリントとマウスガードを外した後で、バットのスイング時と投球時の動作時の身体各部の動きを測定した。スプリントとマウスガードには咬合器上で各種咬合を付与して咬合状態を可逆的に変化させて、測定および分析を行った。 また、咬合を変化させた際のバットのスイング時と投球時における全身の身体運動能力への影響についても、3次元動作解析システムを用いて測定した。 平成29年度の研究結果から、スプリントやマウスガードに付与する咬合によってバットのスイング時と投球時の動作時の身体各部の動きは変化する傾向を示していた。このことから、スプリントやマウスガードを製作する際には、咬合器上で適切な咬合を付与することが重要であることが明らかになってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、当初の計画内容である、咬合の変化とスポーツ時の各姿勢における身体運動能力との関連に関する実験的な検討を実施することができた。当初の計画では、平成28年度からの実施を予定していたが、平成28年度には、先に検討が必要であると考えられた歩行運動の解析および分析を優先して行ったため、野球の選手を想定してバットのスイング時と投球時の運動について動作時の身体各部の動きに関するデータ採取が少し遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、当初の計画内容である、咬合の変化とスポーツ時の各姿勢における身体運動能力との関連に関する実験的な検討を実施することができている。また、これまでの研究実績から、研究条件の設定やデータの分析項目、分析方法は確立されてきている。 今後は、平成29年度と同様の方法で、被験者数を増してデータ採取をさらに進めていき、集積したデータを分析して得られたエビデンスをもとに、咬合支持改善のための歯科的アプローチに関するガイドラインを作成する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 当初の研究実施計画では、平成27年度に無線筋電図センサと電極に高額な経費を見積もっていたが、平成27年度には他の筋電図センサを購入したことにより、経費の多くが平成28年度の使用額として残っており、さらに、平成29年度の使用額にもそのまま経費の多くが残っているため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 平成30年度は、これまで行ってきたバットのスイング時と投球時の運動について動作時の身体各部の動きをマーカーの軌跡で分析することに加えて、筋電計からその筋活動の動態を測定して検討を行うことを計画しており、筋電計に経費を使用する予定である。また、スプリントやマウスガードを製作するための材料費、ジグを製作する経費も必要である。
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