研究実績の概要 |
エピテーゼの製作法は複雑な工程と熟練した技術,芸術的な感性が必要とされて来た.申請者らはこれまで,エピテーゼを製作する上で,患者・術者双方に負担の少ない簡便な方法の確立を目指して研究を進めてきた.本研究ではさらに適合性の高いエピテーゼの製作を行うために,モーフィング法(ある物体から他の物体へ変化する過程をコンピュータによって補完する手法)を用いてコンピュータ上にて皮膚表面の弾性や表情筋の動きを導入し,より生体に近い,‘動く顔面模型’の製作方法を確立することを目的とする. 研究の趣旨を説明し,同意の得られた,顔面に欠損や顔面表情筋の運動に支障の無い,健常成人5名を対象とし. 3次元表面形状計測装置(RexcanⅢ,Solutionix社,既に保有)を用いて,顔面の表面形状をスキャンし,3次元形状データを得た.被験者には,無表情のまま静止するように指示した. 更に,以下に示す表情を指示し,スキャンを行った.a;最大開口・・・耳介エピテーゼを製作する際に,エピテーゼの前縁は顎関節周囲にとどまることが多く,開口時にその部分の顔面表面の形状が変形することによりエピテーゼが脱落しやすいため.b;口角挙上(笑う)・・・外鼻欠損に対する鼻エピテーゼを製作する際にエピテーゼの側方の辺縁が口角・上唇の運動によって脱落しやすいため.c;閉眼・・・眼窩エピテーゼを製作する際に,エピテーゼの辺縁(特に側方)が脱落しやすいため. 得られたデータを3次元データ処理ソフトウェアGeomagic DesignX (3Dsystem社)を用いた編集した.
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