研究課題/領域番号 |
15K11185
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
楠本 哲次 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70186394)
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研究分担者 |
田口 洋一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (60434792)
小正 聡 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70632066)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ナノ構造 |
研究実績の概要 |
インプラント補綴には,埋入後の安定性が重要であり,そのためには早期のオッセオインテグレーションおよび周囲歯周組織の早期回復が重要である。我々は純チタン表面にナノシート構造を析出させ、骨分化誘導に有用であることを解明した。また,インプラント埋入周囲組織の歯周組織の再生方法としてエムドゲインの主要タンパク質の一つであるアメロジェニンがヒト歯根膜細胞の増殖・遊走能および硬組織分化誘導能の向上に寄与することを明らかにした。そこで,本研究では,純チタン金属表面に析出したナノシート構造にアメロジェニンをコーティングすることで,硬組織分化誘導能および歯周組織再生に有用である新規インプラント材料を作製し,臨床応用することを考えている。インプラント材料として主に使用されている2級純チタンを10Mの水酸化ナトリウム水溶液に加え,室温条件下で24時間攪拌させて反応を進行させる.このとき,大気圧下と共に反応を活性化させるために室温圧力下(0.1-15MPa)での合成を行う.所定時間後に超純水で洗浄を繰り返し,Na等の溶存イオンの除去を行う.洗浄の進行はろ液導電率によりモニターする.この後、真空乾燥することで試料を得る.その後,各種濃度のアメロジェニン水溶液に浸漬し,浸漬後の各種純チタン金属表面をSEM,SPM,XPS解析を行い,コーティングができていることをスコッチ試験にて判定する。 純チタン金属表面に濃アルカリ処理を行うことで表面上に形成されたナノシート構造に加熱処理を行うことで結晶化が行われることが明らかとなった。また、新規タンパク質であるアメロゲニンを表面上に成膜する方法としてスピンコート法を利用することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規タンパク質であるアメロゲニンを表面上に成膜する方法としてスピンコート法を利用することとした。新年度の科研費ではスピンコーターを購入予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新規タンパク質であるアメロゲニンを表面上に成膜する方法としてスピンコート法を利用することとした。新年度の科研費ではスピンコーターを購入予定である。 その後は分化に関する実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
純チタン金属板の発注が前年度末になり、次年度に支払いが繰り越しとなったため
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次年度使用額の使用計画 |
スピンコーターにてアメロゲニンをナノ構造析出純チタン表面上に成膜し、試料を大量生産する。その後は分化誘導の評価を行う予定である。
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