過酸化水素による酸化ストレスは骨芽細胞の分化と骨基質の石灰化を抑制した.酸化ストレスを受けた骨基質は,ピクロシリウスレッド染色後の偏光顕微鏡下での色彩がオレンジや黄色ではなく,緑色が主体となっており,コラーゲン線維が細くなっていることが示唆された.酸化ストレスによって,LH1,LH2,LH3やGLT25D1のコラーゲン線維形成に関わる酵素の発現量は変化しなかった.一方,コラーゲン分子間架橋形成に関わる酵素のうち,LOXとLOXL-1の発現は酸化ストレスによって増加した.酸化ストレスはコラーゲン翻訳後修飾関連因子に影響を与えて,骨基質を脆弱化させる可能性が示唆された.
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