咬合性メカニカルストレス(MS)で誘発されるケモカインと骨質維持の関係解明のため、過剰ストレス防御反応としてのケモカイン産生や局在変化について検討した。ヒト歯根膜細胞へ間欠的伸展刺激を与えた結果、SDF-1は2日目で減少、in vitro咬合性外傷モデルマウス歯根膜細胞を用いた結果ではMS依存性に3日目以降増加した。in vivoではMSにより根分岐部歯根膜周囲組織のSDF-1の発現、CXCR4の骨髄・歯髄組織での発現が認められ、4日目で一過性に増大した。過剰なMSにより歯根膜組織からSDF-1が分泌され、CXCR4に結合することが骨芽細胞の維持や誘導に重要な働きを担っていると考えられた。
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