研究課題/領域番号 |
15K11190
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塙 総司 東北大学, 大学病院, 助教 (90431585)
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研究分担者 |
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
小川 徹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯列接触癖 / 表情筋 / 咀嚼筋 / 筋電図 |
研究実績の概要 |
歯列接触癖を有する患者において,口角を後方に引きスマイルラインを強調した特徴的な顔貌が臨床の現場でしばしば観察される.この表情筋活動は,口腔顔面痛と密接な関係がある咀嚼筋活動にも影響を及ぼすと考えられているが,その詳細は明らかではない.そこで本研究では筋電図測定により,表情筋活動と咀嚼筋活動との関連を明らかにすることを目的とした. 被験筋には,口輪筋,頬筋,口角挙筋,咬筋,側頭筋を用いた.最大随意吸啜運動時,最大随意口角牽引時,最大随意口角挙上時の活動量で口輪筋,頬筋,口角挙筋を標準化し,50%,100%随意最大筋力(MVC)での口角牽引,口角挙上が咀嚼筋活動に及ぼす影響を検索した.被験運動は,下顎安静時,上下顎歯列接触時,クレンチング時(20%,50%MVC)とし,これらを先行運動として口角牽引と口角挙上を指示した. 咬筋のRMS値は,50%,100%口角挙上,100%口角牽引時において,下顎安静位の時の方が上下顎歯列接触時よりも大きい値を示した.下顎安静位,上下顎歯列接触,20%クレンチング,50%クレンチング時に100%の口角牽引を指示したとき,頬筋のRMS値はそれぞれ772.4mV,644.2mV,766.3mV,681.0mVであった.一方で,先行動作しないときの頬筋のRMS値は1117.6mVであったことから,咬頭嵌合位および咬頭嵌合位付近の下顎位において,頬筋は最大随意収縮を発揮することができないということが示された.これらの結果より,頬筋活動は咬筋活動や下顎位の影響を受けることが推察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
咬筋および頬筋において,被験者に一定の大きさの筋力を持続的に発揮させる制御方法に筋電図波形の視覚的フィードバック法を用いたが,この方法の再現性が低く検討に時間を要してしまったため.
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今後の研究の推進方策 |
筋疲労を避けるために,タスクを持続させる時間を短縮するなどして,一定の筋活動を安定して発揮できるようなプロトコールを作成して円滑な実験の遂行を図る.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた被験者数を満たすことができず,記録電極や各種実験器具の購入数が少なかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定していた各種実験器具の購入や学会出席に要する旅費に費やす予定である.
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