本研究は、加齢に伴うオトガイ舌骨筋の形態的変化が咀嚼機能や嚥下機能などの口腔機能に与える影響について明らかにすることであった。 まず歯の喪失に伴いオトガイ舌骨筋の筋組成が変化するという仮説のもとでラットを用いて検証したところ、オトガイ舌骨筋に廃用性筋萎縮が生じる可能性が示唆された。次に、超音波測定装置を用いてオトガイ舌骨筋の断面積を測定し、咀嚼機能、嚥下機能との関係性を調べたところ、断面積の低下は、間接的に咀嚼機能の低下、直接的に嚥下機能の低下につながる可能性が示唆された。オトガイ舌骨筋の評価は嚥下機能の低下を予測する上で有効な因子と成る可能性がある。
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