研究課題/領域番号 |
15K11199
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
菊地 聖史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50250791)
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研究分担者 |
有川 裕之 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (90128405)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯科CAD/CAM / 歯科ロボット / 形成 / 切削 |
研究実績の概要 |
本年度は、初年度に引き続いて装置の試作・改良ならびに動作試験を行った。具体的には、次のとおりである。 1.エアタービンユニットとカメラユニットの統合:初年度の設計に基づき防水カメラモジュールならびに外付けの光学系(レンズとミラー)で構成されるカメラユニットをハンドピースに装着して一体化するとともに、光学系の曇りを防ぐためのエアフロー機構を追加した。 2.タッチプローブの動作確認:下顎第一大臼歯の歯頸部を想定した試作タッチプローブの動作確認を行った。タッチプローブが有する2個のロータリーエンコーダーと頬舌側の測定位置切り替え機構ならびに3軸自動ステージの組み合わせにより、比較的単純な構成で歯頸部座標を取り込むために必要なプローブの可動範囲が確保できることが分かった。 3.2級窩洞隣接面の切削アルゴリズムの検討:隣接面のスライスカット(平面切削)を行う場合のカッターパス(工具の軌跡)について検討した。水平(近遠心)方向については、臨在歯を傷つけないように臨在歯からの距離が工具半径より大きくなければならないこと、垂直(歯冠軸)方向については、(1)歯肉を傷つけないように工具先端が歯肉辺縁より少し歯冠側寄りの位置から歯冠に接近する、(2)歯肉溝で工具を歯根側寄りに移動する、(3)反対側の歯肉溝で再び歯肉より少し歯冠側寄りの位置へ移動する、(4)歯冠から離れる、といった一連の動きが必要であることが分かった。 4.プログラムの作成:タッチプローブの2個のロータリーエンコーダーの出力と自動ステージの座標からプローブ先端の座標を求めるプログラムを作成した。また、隣接面のスライスカットの設計ならびにカッターパス生成のためのプログラムを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
装置の設計を変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続いて歯科治療ロボットの改良を進めるとともに、フルデジタル化の有効性の検討と問題点の把握ならびに解決策の検討を行う。具体的には、改良した装置の動作確認や校正、精度評価などを行う。次いで、歯科用マネキンを用いて歯列模型に対する動作検証を行い、装置やプログラムが意図したとおり動作するか、形状測定から自動形成までの各工程の所要時間はどうかなどを調べ、必要なら改善を図る。また、形成条件の最適化も試みる。さらに、臨床的視点・医療機器開発の視点からもフルデジタル化の有効性と問題点の検討を行い、最後に研究の総括を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
装置の設計変更などのため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、翌年度分として請求した助成金と合わせて研究に必要な物品費や旅費などに充てる予定である。
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