研究課題/領域番号 |
15K11209
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 健介 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10364150)
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研究分担者 |
高田 雄京 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10206766)
清水 良央 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30302152)
高橋 哲 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60226850)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Dynamic GBR / 骨膜伸展骨形成法 |
研究実績の概要 |
形状記憶合金デバイスの選定の上で、形態回復力の至適応力を評価しつつ、骨ー骨膜間隙の厚み・強度について検討を行った。これまでの研究では頭頂骨ー骨膜間隙の伸展を行ってきたが、頭頂骨を覆う皮膚組織に比べ、想定される歯槽骨ー骨膜伸展では、被覆組織が歯肉粘膜となることが懸案事項であった。従って、頭頂骨で使用したデバイスの伸展応力を基準として、今回の伸展応力を0.2Nと設定し、さらにデバイスの厚みとしては0.275mmとした。 生体活性を付与するための表面処理については、金属の表面に三次元的ポーラス構造の骨誘導コーティングを構築できる、アルカリ加熱処理を応用することを試みている。低周波振動を付与してコーティングすることで、難剥離性表面活性処理となり、研究テーマであるDynamin GBRでのデバイス伸展時の表面形状変化に対してもコーティングが剥がれないように処理するものである。しかしながら、コーティングの厚みと伸展変化とのバランスを維持することが難しく、低温処理の温度の設定や被膜厚さの設定に時間を要している。現在、棒状形状記憶合金を用いて表面活性処理の評価を行っている段階である。 形状記憶合金デバイスの伸展刺激を始動させるための作動システムとしては、生体吸収性材料を用いて固定様式を採用する予定であり、ポリグラチンまたはポリーLー乳酸材料を検討している。形態回復応力と生体吸収性材料の生体内抗張力の組み合わせにより、始動までの待機期間が変化することが分かっている。待機期間を14日間と設定した上で、その時点での生体内抗張力の適性について評価を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生体活性処理となるデバイス表面のコーティングについて、その厚みと表面形態変化に対する剥離抵抗性の評価に時間を要している。また、伸展作動システムの設定として、形状記憶合金デバイスの伸展応力と生体吸収性材料の生体内抗張力の組み合わせについては、さまざまな設定を試す必要があり、その至適組み合わせの設定には慎重な判断が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
表面活性処理の評価として、ラット脛骨への埋入実験を予定しており、コーティング被膜の厚さと低温処理の設定を決定する予定である。また、形状記憶合金デバイスの伸展応力と生体吸収性材料の生体内抗張力の組み合わせを決定した上で、速やかに動物実験を行い、その有用性や安全性について評価を行う予定である。まずラビット頭頂骨で作動システムを検証し、その上で大型動物の顎骨モデルに移行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
材料評価・選定に時間を要しており、動物実験への移行が遅れているため、実験にかかる経費が予想よりも下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
遅れている動物実験を開始することで、薬剤、動物飼育、形状記憶合金デバイスの購入が進み、経費の使用は予定通りになると考えている。
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