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2015 年度 実施状況報告書

医工連携による視線追尾システム開発で無影灯調整を自動化する

研究課題

研究課題/領域番号 15K11218
研究機関長崎大学

研究代表者

野上 朋幸  長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (00380858)

研究分担者 鮎瀬 卓郎  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20222705)
喜安 千弥  長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20234388)
田上 直美  長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (70231660)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード歯科治療 / 無影灯 / 支台歯形成 / 視線追尾
研究実績の概要

本研究は歯科治療時の口腔内への光照射を効率よく行うために、これまで主に術者や歯科衛生士が行ってきた無影灯の調整を術者の視線を追尾し自動化することを目的とする。平成27度の研究計画と成果について以下に示す。

1、資料収集、研究計画立案、実験前準備
実験前準備として歯科治療時の術野への光照射の現状を数値化するための実験方法について再考し、必要とされる実験器材を購入した。歯科治療の中でも特に光照射を要する歯の切削時の無影灯操作時間計測を今年度の研究計画の一つとし、切削用模型歯、顎模型と分析に用いるパーソナルコンピューターを購入した。また、平成28年度に計画している歯科治療時の術者の視線追尾測定、分析に使用する実験機材について数社から機材の基本性能、分析ソフトが有する分析項目、価格について情報収集を行った。
2、無影灯操作時間の測定
一般的に術野に光照射が必要な歯科治療では歯科ユニットに組み込まれた多関節ワームに設置してある無影灯を歯科衛生士などの介助者や術者が手で操作し術野に光を供給する。今年度の研究では歯を切削する歯科治療の中で歯の全面を切削する必要がある全部金属冠による治療を想定し、学生実習に用いる切削用模型歯を顎模型に設置したものと実習用のマネキンを用い全部金属冠支台歯形成のシミュレーションを行い無影灯操作について調査した。切削用模型歯の切削には実際に歯科治療で使用する歯科用ユニットに設置した高速切削器具とダイヤモンドバーを用いた。左側下顎第一大臼歯の切削用模型歯を歯科医師5名が各5回支台歯形成を行い、切削中の術者をビデオカメラで撮影し支台歯形成時の術者による無影灯時間、回数について測定を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度の研究計画は切削用模型歯を用い全部金属冠支台歯形成時の無影灯操作分析である。目標は切削する切削用模型歯の位置は口腔内を右側上顎臼歯、上顎前歯、左側上顎臼歯、右側下顎臼歯、下顎前歯、左側下顎臼歯の6ブロックに分割し1ブロックあたり5本の切削模型歯を削る。これを長崎大学病院に勤務する歯科医師20名、介助者20人を対象に無影灯操作時間と歯の位置について統計分析を行うとしていた。しかし今年度に測定した切削シミュレーションは左側下顎臼歯1ブロックに対し歯科医師5名が切削模型歯を各5本切削しただけで計測数が目標に対し不足している。また、平成27度は切削時の術者による無影灯操作時間の測定のみを行っており、介助者による無影灯操作について計測していないため、更に計測に必要な歯科医師、介助者を募集する必要がある。
無影灯操作測定の被験者である介助者には歯科医師、歯科衛生士を必要とするが切削シミュレーションを行う時間帯が測定者や被験者の都合や歯科治療用チェアーの使用状況などから就業時間外になることが多く、歯科衛生士に関しては特に研究の協力を得ることが困難なことが計測数が不足している原因の一つである。
また、平成27年度に切削シミュレーションに参加協力した歯科医師に対し謝礼を設定していなかったことも参加者が不足した原因の一つではないかと考えられる。

今後の研究の推進方策

平成27年度研究目標とした切削模型歯の全部金属冠支台歯形成時の無影灯操作分析を平成28年もさらに継続し計測数を増加する必要がある。それには切削シミュレーションに協力してもらう歯科医師、歯科衛生士の積極的な募集が必要であり、そのためには謝金の設定を考慮する必要がある。また、歯科衛生士への協力を求めるためにはシミュレーションを就業時間内に行う必要もあるが、歯科衛生士の本来の業務内容に支障がないようにしなければならないなどの制限もある。今後は無影灯操作に関する分析をさらにすすめていくために、切削模型歯の切削時だけでなく、実際の患者への治療時の無影灯操作測定を追加する予定である。
また、近年歯科治療時に用いられるようになったLED付き歯科用拡大鏡を着用し歯科治療を行った場合の無影灯操作についても測定分析し、無影灯操作自動化の有効性を明らかにする必要がある。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に行った研究内容は主に切削用模型歯の切削シミュレーション時無影灯操作時間測定であるが、切削模型歯の使用数が少なく消耗品に対する使用額が少なかったことと、研究分担者への人件費の経費を使用しなかったことが主な原因である。

次年度使用額の使用計画

研究の進展に従い研究分担者への協力を得る機会も多くなるために今後は研究分担者への人件費への使用とシミュレーション参加者への謝礼への使用も考慮している。

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公開日: 2017-01-06  

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