本研究ではフィーダーフリー・ゼノフリーiPS培養法から、歯周組織の起源である神経堤細胞への誘導を実現させた。マウスの歯根膜組織には神経堤細胞が存在し、その一部は間葉系幹細胞マーカーであるPDGFRαやCD44が発現していることを確認した。そのため神経堤由来間葉系幹細胞は歯周組織再生療法の有力な細胞供給源になる可能性が示唆された。これらの細胞を実際の歯周病モデルマウスに移植するべく、その疾患モデルマウスの作製とその評価を行った。マウスの大臼歯に絹糸を結紮することで骨破壊を誘導するというきわめて臨床の歯周病に近い歯周病誘発モデルの再現実験を行い、その技術的再現性を確認し移植実験の準備をしている。
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