研究課題/領域番号 |
15K11230
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (60350831)
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研究分担者 |
高田 匡基 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (00507684)
楊 静 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (50410436)
各務 秀明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (80242866)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 骨再生 / 炎症サイトカイン / 骨免疫 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 皮質骨由来細胞 |
研究実績の概要 |
細胞移植による局所の炎症や免疫系細胞が骨再生に与える影響について、詳細を解析するため、平成27年度得られた細胞移植1、2、4、8週後のサンプルを、TRAP染色により破骨細胞の誘導と分布を解析した。移植1週目より、BALB/cAJc1群およびBALB/cAJc1-nu/nu群において、移植部位への炎症細胞浸潤が認められた。TNF-α、IL-6、IL-17 陽性細胞は、細胞移植1週後から担体周囲に認められ、4週から8週後にはさらに強い発現を認めたが、その分布には両群で差を認めなかった。特に、細胞移植4週後において、BALB/cAJc1-nu/nu群ではBALB/cAJc1群と比較してTRAP陽性細胞数が多く、再生骨の面積も有意に広かった。この解析より変化の見られたポイントを絞り込みした結果、TNF-αとIL-6陽性細胞は、新生骨周囲には存在しなかった。また、炎症サイトカイン経時的な定量において、TNF-aはBALB/cAJc1群に多く発現していた。IL-4およびIL-17のmRNAはBALB/cAJcl 群のみで発現しており、2週から4週にかけて増加した。さらにRANKLにおいて、1週目にBALB/cAJc1-nu/nu群で多く、その後はBALB/cAJc1群と比較して有意差は認めなかった。また、骨分化誘導因子Osterixにおいて、2週目にBALB/cAJc1-nu/nu群で高く、その後両群とも急激に増加し、有意差はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BALB/cAJclマウス皮質由来細胞(CBDCs)を用いた骨再生モデルを作成し、骨再生の程度に観察するとともに、炎症サイトカインなどの発現も免疫組織化学的に解析を進めている。また、骨形成の程度により炎症サイトカインの違いをReal-time PCRで定量中である。
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今後の研究の推進方策 |
正常免疫モデルマウスに対して抗炎症剤を投与し、抗炎症剤が骨再生に与える影響について検討を行う。また、細胞移植後炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6、IL-17など)及び骨分化誘導因子Osterix及び破骨細胞活化因子RANKLの発現を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
注文した消耗品は定価より低くなったため、次年度に使用する研究費が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の消耗品の購入に合わせて使用する予定です。
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