研究課題/領域番号 |
15K11231
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
内藤 宗孝 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (20167539)
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研究分担者 |
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯科インプラント治療 / 歯科用コーンビームCT / 骨密度 / 顎骨 |
研究実績の概要 |
本研究では、歯科用コーンビームCTでの顎骨骨密度の指標となり得る骨梁参照体を開発し、歯科インプラント画像診断への応用を目指している。 本年度は骨梁参照体を作製する際の基礎的データとなる3次元擬似骨梁構造のコンピュータデザインおよび歯科インプラント治療の成否を判定する際のインプラント安定性指標の検索を実施した。 顎骨骨梁構造に関してデータベースを用いて調査したところ、骨梁幅(Tb.Th)の平均は、Monovらは0.191mm、Ariskaらは0.189mm、Ulmらは女性0.1659mm、男性0.1749mmと報告していた。また、骨梁間隙幅(Tb.Spac)の平均は、Ariskaらは0.787mm、Ulmらは女性0.7200mm、男性0.5827mmと報告していた。これらの結果を踏まえて、3次元擬似骨梁構造は、Tb.Thを0.2mm、Tb.Spac0.6mmを基準値としてコンピュータデザインすることとした。また、顎骨骨密度の判定に用いることが可能なベースレジンの開発を合わせて行った。 インプラントの成否に関してはガイドラインにおいて臨床的にはインプラント周囲に炎症がないこと、インプラントに動揺がないこと、インプラントに疼痛がないこと、X線画像的にはインプラント埋入後1年以降において0.2mm/1年と示されている。また、安定性指標に関して、データベースを用いた検索では埋入時トルク値やオステル(モリタ、日本)を用いたISQ値が多くの論文で用いられていた。そこで、歯科インプラント治療の成否やその安定性はこれらの事項を評価することを考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に必要な物品を購入することができた。また、データベースを用いた検索にて、顎骨骨梁構造および歯科インプラント治療の成否やその安定性に必要な情報を獲得し得た。 3次元擬似骨梁構造は、Tb.Thを0.2mm、Tb.Spac0.6mmを基準値としてコンピュータデザインすることとした。 また、歯科インプラント治療の成否やその安定性は臨床的およX線画像による評価および埋入時トルク値やオステルISQ値を評価することを考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、マイクロ光造形による3次元擬似骨梁モデルの作製と歯科用コーンビームCT撮影およびその描出評価を計画している。また、歯科インプラント埋入時および2次手術時における歯科インプラントの成否や安定性の測定を計画している。 歯科用コーンビームCTを用いた歯科インプラント画像診断において、骨梁参照体を用いた検査が有効であることを実証し、歯科インプラント画像診断での顎骨骨密度評価法の確立を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画と比較して、物品費において差額が生じた。本年度実施したデータベースを用いた検索調査などにおいて、当初計画よりも物品の購入が少額で可能であった。 また、旅費に関しては開催場所が未定な学会などが存在し、比較的近い場所で開催されたため安価で実施し得た。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、マイクロ光造形による3次元擬似骨梁モデルの作製と歯科用コーンビームCT撮影およびその描出評価を計画している。また、歯科インプラント埋入時および2次手術時における歯科インプラントの成否や安定性の測定を計画している。その中で、マイクロ光造形による3次元擬似骨梁モデルの作製が高額となることが予想されている。より充実したモデル作製に使用する予定である。
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