研究実績の概要 |
本研究では、歯科用コーンビームCTでの顎骨骨密度の指標となり得る骨梁参照体を開発し、歯科インプラント画像診断への応用を目指している。 本年度は、第一の研究として下顎骨海綿骨の平均的な骨梁幅および骨梁間隙幅を再現した3次元擬似骨梁モデルの歯科用コーンビームCT画像を解析した。歯科用コーンビームCT装置は本学附属病院に設置しているAlphard VEGA(朝日レントゲン工業)を用い、その撮影領域の直径は51mm,管電圧80kV,管電流5mAであった。歯科用コーンビームCT画像でそのプロファイルを解析したところ、骨梁幅に相当する格子幅0.2mm以上で確認することができた。格子幅が0.4mmではその格子のボクセル値は上昇した。また、しきい値を設定して骨梁に相当する格子の割合(格子/ROI(関心領域)比)を算出することは可能であったが、その値は骨梁モデルの設計値とは異なっていた。 また、第二の研究として、気孔率が0%,30%,55%,85%の4種類の多孔性のハイドロキシアパタイトブロックの歯科用コーンビームCT画像を解析した。歯科用コーンビームCT装置はAlphard VEGA(朝日レントゲン工業)、撮影領域の直径51mm,管電圧80kV,管電流5mAであった。前述の3次元擬似骨梁モデルではアクリルであり、骨の構成成分とは大きく異なっていた。この多孔性のハイドロキシアパタイトブロックは骨の構成成分であり、より良好な結果が期待された。 その結果、気孔率が30%,55%,85%の時、歯科用コーンビームCT画像で気孔を確認し得た。S活かしながら、実質・全量比を計算したころ、用いたブロックの気孔率から換算した実質率とは異なっていた。
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