研究課題
3年計画の本研究は、①靭帯への分化に適した歯周靭帯幹細胞画分の抽出・濃縮方法の確立 (平成27~28年度) ②濃縮した歯周靭帯幹細胞画分を用いてin vitroで成熟靭帯構造の誘導法を確立(平成28年度) ③作成した靭帯構造に対しマウス移植モデルを用いてその機能を評価 (平成29年度)で実験計画を立案した。本年度はその最終年度であった。前年度までに引き続き、②をメインに実験を行った。しかし、前年度に引き続き3次元培養系によって作成した靭帯様組織の物理的な強度を測定するための引張試験が設備的な問題から思うように計測できなかったために、機能的な評価を判定できなかった。これにより、①の成果としても前年度以上の解析は進められなかった。また、③にも着手したが靭帯移植モデルは手技的に非常に困難で思うような結果を得ることができなかった。一方で、基礎研究としては、三次元培養による靭帯構造作成にとって必須因子であるTGF-βがどのようなシグナルを介して靭帯作成に必須なECM収縮能力を発現するかの解析を進める事には成功し、その成果に関して本年度、学会発表をおこなった。また、近日中にその成果について学術論文として発表する予定となった。今後の予定として、靭帯構造の機能的な評価法の確立を急ぐとともに、動物実験手技に関しても成熟化させることで、歯根膜幹細胞を利用した靭帯再生治療の実現を目指す。本研究支援による3年間の成果によって、そのための確実な足掛かりを得ることに成功した。
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International Journal of Molecular Medicine
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Experimental cell research
巻: 358 ページ: 411-420
10.1016/j.yexcr.2017.07.014. Epub 2017 Jul 14.
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