がん抑制遺伝子として知られるp53 遺伝子を「奇形発生の番人」と捉え、CL/Fr 系統マウス(口唇口蓋裂感受性系統)における口唇口蓋裂形成へのp53の影響を検索することを目的に「p53ノックアウトCL/Fr 系統マウス人工授精凍結胚」を用いて解析を行った。 CL/Fr;p53(-/-)マウスにおける口唇裂は、これまでに報告のない特異的な形態異常が原因と示唆された。CL/Fr;p53(-/-)マウスにおける口蓋裂は、いわゆる完全口蓋裂の病態に近く、口蓋突起は認められるものの、その大きさは非常に小さく、水平方向への増殖はほとんど生じていないことが判明した。
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