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2016 年度 実施状況報告書

口腔癌のEMT誘導調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K11250
研究機関広島大学

研究代表者

島末 洋  広島大学, 病院(歯), 助教 (40335683)

研究分担者 飛梅 圭  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (40350037)
東川 晃一郎  広島大学, 病院(歯), 講師 (80363084)
重石 英生  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (90397943)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードEMT / 口腔癌 / Snail
研究実績の概要

舌癌由来細胞株OM-1をベースに、転写因子Snailを導入したOM-1_Snail、そしてSnailのファミリー分子Snail2(Slug)、そしてSlugおよびSnailを同時に強制発現させたOM-1_Snail_Slug、準安定型Snail依存的EMT phenotype OM-1であるOM-1_Snail clone、最後に安定型EMT口腔底癌由来細胞HOC313を比較すると、段階的なEMT強度を示しており、EMTプログラムを解析する上で非常に有用なモデルとなる。これら細胞の細胞内亜鉛濃度をフローサイトメトリーで検査してみると、EMT強度(ESA発現量基準)が高くなるほど、これら細胞株のメインポピュレーションの亜鉛濃度は低くなった。しかし、安定型EMTのHOC313はサブポピュレーションとして亜鉛濃度が低いのが見られたが、メインポピュレーションはOM-1と同等であった。セミ安定型のOM-1_Snail clone細胞でも同様な分布を示したため、正しくEMTが安定した表現型で、不可逆性に陥ると、亜鉛依存的転写因子の役割が失われてしまうことが推察され、その代わりにエピジェネティックな機構によって安定EMTが支配されると考えられた。すなわち、転写因子の発現と活性化が、臨床的動態(癌の進展)に関わる可逆性EMTの制御において重要であることが明らかになった。亜鉛トランスポーターLIV1(ZIP6)はSnailおよびSlugの核内移行に重要であることは昨年度明らかにした。そこで、亜鉛イオンを細胞内で蛍光染色で可視化した。しかし、EMT形質を示す細胞で細胞内亜鉛の染色が高くなる傾向を示したが、客観的な有意差は見いだせなかった。ZIPファミリー遺伝子のmRNA発現をすべてRT-PCRで確認したところ、ZIP2が明らかにLIV1の発現と逆相関を示した。そこで、このZIP2がEMTならびにSnail(Slug)の活性と関与していると仮定し、現在、ZIP2発現細胞の作製とノックダウン実験の準備している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

EMT誘導性転写因子Snailの調節因子としてZIP2をピックアップするところまで進んだ。

今後の研究の推進方策

ZIP2がEMT調節因子として重要な分子であると仮定し、今後、ZIP2のゲインオブファンクションとロスオブファンクション実験をおこなって、詳細なZIP2の役割について検討する。

次年度使用額が生じた理由

少額のため誤差の範囲内と思われます。

次年度使用額の使用計画

次年度に消耗品購入に充てさせていただきます。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preoperative oral health care reduces postoperative inflammation and complications in oral cancer patients2016

    • 著者名/発表者名
      Shigeishi H, Ohta K, Fujimoto S, Nakagawa T, Mizuta K, Ono S, Shimasue H, Ninomiya Y, Higashikawa K, Tada M, Ishida F, Okui G, Okumura T, Fukui A, Kubozono K, Yamamoto K, Ishida Y, Seino S, Hashikata M, Sasaki K, Naruse T, Rahman MZ, Uetsuki R, Nimiya A, Takamoto M, Dainobu K, Tokikazu T, Nishi H, Sugiyama M, Takechi M
    • 雑誌名

      Exp Ther Med.

      巻: 12 (3) ページ: 1922-1928

    • DOI

      10.3892/etm.2016.3532

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌細胞における幹性とEMTとの関連性についてのin vitro解析2016

    • 著者名/発表者名
      植月 亮,東川晃一郎,重石英生,石田扶美,小野重弘,島末 洋,武知正晃
    • 学会等名
      第61回(公社)日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      2016-11-25 – 2016-11-27
  • [学会発表] Snail-induced EMT ignores epithelial stem cell-like properties of oral squamous cell carcinoma cells2016

    • 著者名/発表者名
      Uetsuki R, Higashikawa K, Shigeishi H, Ishida F, Ono S, Shimasue H, Ohta K, Takechi M
    • 学会等名
      第49回広島大学歯学会総会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      2016-07-02

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公開日: 2018-01-16  

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