シェーグレン症候群(SS)は、外分泌腺を標的とする自己免疫疾患であり、その発症機序は未だ解明されていない。このため標準治療は確立されておらず、対症療法が主体である。我々はSS患者口唇腺の網羅的DNA発現解析を行った結果、ケモカインであるIP-10が過剰発現していることを見出した。詳細な解析をすすめたところ、SS唾液腺ではIFN-γ刺激により導管細胞からIP-10が著明に分泌され、その結果IP-10のレセプターであるCXCR3+マクロファージが集簇されることが明らかとなった。IP-10を分子標的とすることでマクロファージの集簇を抑制し、SS唾液腺の慢性炎症を制御できる可能性が示唆された。
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