がん細胞を移植したマウス動物実験を行い、5-FU先行投与により正常組織でのBPA集積には影響を与えないが、腫瘍組織におけるBPA集積の低下をもたらすことが示唆された。5-FUによりG2/M期で細胞周期が停止し細胞増殖に関与するタンパク発現の低下を認め、アミノ酸代謝に影響を与えBPA取り込みの低下につながっていると考えられた。また、BPAとF-BPAの投与後の各組織におけるホウ素濃度の経時的変化が同様か否かの実験を行い、各組織の経時的変化はBPA投与群もF-BPA投与群も近似しており、F-BPAを用いたPET検査でBPAのホウ素集積を予想しBNCTの治療計画を立てることは妥当であると考えられた。
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