研究課題/領域番号 |
15K11267
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河奈 裕正 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (50224803)
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研究分担者 |
森川 暁 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00424169)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 下歯槽神経再生 / フィーダーフリー / ゼノフリー |
研究実績の概要 |
本研究課題は末梢神経の再生、とりわけ解剖学的にも他の部位と比較して非常に特殊な環境にある下歯槽神経の再生を目標とし、iPS細胞から頭頸部顎顔面領域、下歯槽神経の発生学的起源である外胚葉性間葉組織構成細胞=神経堤細胞を誘導することを研究計画および目標としている。 これまでの研究成果は①iPS細胞は京都大学と提携し、実際の治療を目的として誘導されたiPS細胞、すなわち治療用iPS細胞を用いることができるようになった。②将来の臨床実用化に向けた治療用iPS細胞を使用することから、培養に用いるフィーダー細胞の使用も課題となってくることを念頭に本研究課題の重要なステップとして、フィーダーフリー培養法を確立した。③フィーダーフリー培養法と同じく臨床実用化の重要なステップになる無血清培養法、すなわちゼノフリー培養法でのiPS細胞の維持と神経堤細胞への誘導を実現させた。この①②③の結果本研究課題の(最終的ゴールであるヒト下歯槽神経再生に向けた非常に重要かつ必須のステップだったと考えている。現在はフィーダーフリー/ゼノフリーの条件で培養した治療用iPS細胞から神経堤細胞に誘導し、その増殖能や分化能に加え、神経堤細胞の重要な性質の一つである遊走能に関してもin vivo実験で評価を行っている。また、さらに誘導幹細胞の移植実験系の確立とその評価方法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では治療用ヒトiPS細胞を用いたマウス移植実験に加え、霊長類コモンマーモセットも用いて下歯槽神経組織再生メカニズムを免疫組織化学的手法と画像解析によって明らかにし、安全・確実な下歯槽神経再生療法を確立することである。これまで①京都大学から治療用ヒトiPS細胞の提供を受け、将来の移植治療を見据えたゼノフリー・フィーダーフリーの培養方法で下歯槽神経の発生学的起源である神経堤細胞への誘導とそこから下歯槽神経への分化方法の構築までは成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の研究計画である、②マウスとコモンマーモセットの下歯槽神経損傷(神経断裂)モデルを作製する。③ ②の下歯槽神経断裂モデルに移植治療を行い、マイクロCT・MRI・発光イメージングを駆使して末梢神経組織再生様式を解析することを目標に、研究を推進したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究開始当初はオールインワン蛍光顕微鏡の購入を予定していたが、他の研究費を充てる事になったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今後の研究計画に大きな変更はないので、今後予定している計画である①京都大学から治療用ヒトiPS細胞の提供を受け、将来の移植治療を見据えたゼノフリー・フィーダーフリーの培養方法で下歯槽神経の発生学的起源である神経堤細胞への誘導とそこから下歯槽神経への分化方法を構築する。②マウスとコモンマーモセットの下歯槽神経損傷(神経断裂)モデルを作製する。③ ②の下歯槽神経断裂モデルに移植治療を行い、マイクロCT・MRI・発光イメージングを駆使して末梢神経組織再生様式を解析し、有効性と安全性の評価ができるように計画的に使用していく予定である。
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