研究課題/領域番号 |
15K11294
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
玉谷 哲也 徳島大学, 大学病院, 講師 (30274236)
|
研究分担者 |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (20200214)
高丸 菜都美 徳島大学, 大学病院, 助教 (40513031)
永井 宏和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (50282190)
大江 剛 徳島大学, 大学病院, 助教 (60432762)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | microRNA / 転移 / 口腔癌 |
研究実績の概要 |
転移診断マーカーとなるmicroRNAの探索 初診時N0症例で原発巣切除後に局所再発がなく、後に頸部リンパ節に後発転移をおこした癌患者の頸部郭清術前と頸部郭清術後に、病理組織検査でリンパ節転移を確認した後の同一患者の血液サンプルからRNAを抽出し、microRNAアレイの解析(東レ 3D-Gene)を行った。5症例の解析結果より、手術前と手術後に発現が4倍以上の差があるmicroRNAを抽出した。さらに、クラスター解析、下流に存在する遺伝子の解析をあわせて行い、候補となるmicroRNAを選定を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年1年間の対象症例が少なかったこと、血液中からのmicroRNAの回収率が安定しなかったことが理由として考えられる。また、マイクロRNAのアレイの結果として候補となったマイクロRNAの数が多く、解析するマイクロRNAを絞れなったことが遅れている原因となっている。
|
今後の研究の推進方策 |
転移診断マーカーとなるmicroRNAを同定する。また、口腔扁平上皮細胞癌株における候補となったmicroRNAの発現解析を行う。口腔扁平上皮癌細胞(SAS, CAL27細胞)を用いて、培養上清中と癌細胞中の候補となったmicroRNAをreal-time RT-PCRで定量し、microRNAが分泌型のmicroRNAであり、癌細胞由来であることを確認する。 次に培養細胞における候補となったmicroRNAの機能解析を行う。培養細胞(SAS、CAL27、B88、BHY、HNt細胞)を、microRNAのインヒビターを用いて候補となったmicroRNAの機能を抑制、あるいはmicroRNA発現プラスミドを用いて過剰発現させる。それぞれ、anti miRTM miRNA inhibitor (Ambion)とanti miRTM miRNA precursor molecule(Ambion), あるいはmicroRNA 発現プラスミドを用いる。microRNAの発現を抑制あるいは強制発現した癌細胞をヌードマウスの背部皮下(5×106個細胞)あるいは咬筋部もしくは舌(1×105個細胞)に移植し、腫瘍増殖、リンパ節転移の有無、個数を検討する。また、摘出したリンパ節のHE染色、、候補microRNAの発現がリンパ節転移に及ぼす影響を検討する。In vivoの実験結果より、候補となったmicroRNAの抑制が、転移を抑制するか否か、あるいは腫瘍増殖を抑制するか否かを総合的に判断する。また、癌細胞を用いてmicroRNAの発現抑制あるいは過剰発現させることによって、網羅的にcDNAのマイクロアレイ解析を行い、それぞれのmicroRNAの下流に存在する遺伝子を同定する。以上の結果より、抽出したmicroRNAと下流の遺伝子が癌治療の標的となるか、否か検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
症例数が少なく、microRNAの解析数が少なかったことで、PCR数が少なかったことに起因する。
|
次年度使用額の使用計画 |
候補となるmicroRNAがいくつか絞れてきたことより、培養および動物実験でその機能解析が進むものと考えている。
|