研究課題/領域番号 |
15K11298
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
岩井 俊憲 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00468191)
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研究分担者 |
藤内 祝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50172127)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔癌 / センチネルリンパ節 / 磁性体 / センチネルリンパ節生検 |
研究実績の概要 |
口腔早期癌N0症例では原発巣切除のみが行われ,その後は経過観察となる.しかし,後発頸部リンパ節転移は20~40%程度で生じるため,施設によっては予防的頸部郭清術を行うこともある.近年,予後の改善と低侵襲手術を目指し,色素法やRI法またはその併用によるセンチネルリンパ節生検が口腔癌にも導入されてきた.しかし,色素法はセンチネルリンパ節の同定率が低く,RI法では放射線被爆の問題と放射線管理区域にない手術室では実施できないことが普及のうえで問題であった.そのため,乳癌のセンチネルリンパ節の同定に最近使われている3D-CT lymphograhyを口腔癌のリンパ流路とセンチネルリンパ節の同定に応用し,口腔癌N0症例に対してラジオアイソトープ(RI)を使用せずに行うことのできる3D-CT lymphographyとインドシアニングリーン(ICG)を用いた小切開による新しいセンチネルリンパ節生検法を開発してきたが,いまだいくつかの課題が残されている.本研究では口腔癌N0症例に対する磁性体造影剤(SPIO:Superparamagnetic Iron Oxide)を用いたMR lymphographyによるセンチネルリンパ節の同定と転移の探索を行うこと,および新しい低侵襲なセンチネルリンパ節生検を確立することである. 本年度はまず,磁性体が取り込まれたセンチネルリンパ節を同定するための磁性プローブの開発に着手した.磁性プローブのプロトタイプを作製したが,まだ大きさが大きく小型化が必要だと考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず,磁性造影剤の流入したセンチネルリンパ節を同定するための,新しい磁性プローブのプロトタイプを作製した.しかし,プロトタイプは大きさが大きく,小さな切開からアプローチするには小型化が必要であると考えられた.
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今後の研究の推進方策 |
小型化した磁性プローブを開発し,磁性造影剤の流入したリンパ節を同定できるかどうか検討していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
磁性プローブの作製がまだ途中であり,学会出張を取りやめたことにより,次年度使用額が生じた.また,MR lymphographyを患者でまだ行っていないため,そのための費用が繰り越しになった.
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次年度使用額の使用計画 |
MR lymphographyを患者で行うことで,研究費を使用していく.また,次年度のセンチネルリンパ節の国際学会に参加することで,旅費を計上する予定である.さらに,小型の磁性プローブの開発費として,次年度に研究費を使用する予定である.
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