研究課題/領域番号 |
15K11300
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 長鎖ncRNA / 転移 / 浸潤 |
研究実績の概要 |
平成27年度に、NR_036537 (RAB6C antisense RNA 1), NR_036580 (DPP10 antisense RNA 1)およびNR_002795 (HOXA11 antisense RNA)の標的遺伝子として同定したNQO2 (NM_000904)の発現についてさらに検討を行った。 16例のOSCCについてNR_002795 RNAおよびNQO2 RNAの発現を検討すると、N-症例とN+症例ではNR_002795は正常の159%および194%(P < 0.05)、NQO2は45%および30%(P < 0.05)であった。また、NR_002795 RNAおよびNQO2 RNAの発現は、r = -0.7427(P = 0.0010)と逆相関を示していた。 さらに、NR_002795を高発現するHSC3ヒト口腔扁平上皮癌細胞に対して、NR_002795 siRNAを処理しノックダウンするとNQO2 RNAの発現は約2.4倍に増大した。さらに、NR_002795のノックダウンに伴い、HSC3細胞の増殖能、浸潤能は低下し、アポトーシスは増加した。 以上のように、NR_002795は口腔扁平上皮癌の悪性度の指標となる可能性が示されたとともに、分子治療標的としても有望な可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長鎖ncRNAが口腔扁平上皮癌の転移に関連する遺伝子発現への影響と転移との関連について一定の成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に特に変更はなく、長鎖ncRNAが口腔扁平上皮癌における種々の遺伝子発現と転移、増殖能および浸潤能に及ぼす影響についてさらに検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存の物品や消耗品でまかなえたため、消耗品の購入が予想より少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
細胞培養や標本作成に必要な試薬や消耗品、種々の解析に必要なアセイシステムやソフトの購入に充てる。
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