研究課題
方法:①臨床標本の解析:74例に対し行った。NOTCH経路の遺伝子、HRAS遺伝子を含む頭頸部扁平上皮癌で高頻度に変異が報告されている遺伝子(Stranskyら2011、India project 2014など)を中心にパネルを作成して行った。 ②WT、検体で発見された変異NOTCH1(A465T)、MOCKの安定発現細胞を樹立した。これらの細胞株を用いて局在、活性、腫瘍原性を評価した。 ③HRAS変異floxマウスを樹立し、Cre発現ベクターをパーティクルガンにより脇腹に導入した。結果:①P53など既知のがん関連遺伝子については他の固形癌と類似したスペクトラムで変異がみられた。NOTCH経路の遺伝子群に28%と高頻度に変異がみられた。とくに、NOTCH1変異についてはリガンド結合領域に集中していた。HRAS変異については1.8%と低頻度の変異が認められた(口腔外科学会2017年、京都、発表)。 ②Flow cytometryにおいて、変異NOTCH1の細胞膜局在は不安定になっていた。免疫蛍光法でWT細胞の活性化NOTCH1は核内に認められたが、変異NOTCH1においては細胞質に認められた。qPCRにおいてMOCKと比較し、WTでは下流因子の発現量が有意に上昇していたが(P<0.01)、変異NOTCH1では有意に減少していた(P<0.01)。細胞増殖能力はMOCK細胞と比較してWT細胞は有意に(p<0.01)細胞が上昇していたが、変異NOTCH1細胞においては有意に(p<0.01)低下していた。ヌードマウスへの生着率はWT細胞は80%であったが、変異NOTCH1細胞では0%であった(Oncology Reports 2017)。 ③Conditional 変異HRAS発現マウスを得るプレ実験データが得られた。現在のところ腫瘍化は認められなかった。現在も解析を継続している。
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