手術後の痛みは、未だ患者にとって最大の不安・恐怖の対象の一つであり、その成立機序を詳細に解明し、効果的な術後痛管理法を開発することが急務である。本研究では、ラット術後痛モデルを用いて、(1) 組織損傷がProrease activated factor-2 (PAR-2)を活性化し術後痛を誘発すること、(2) PAR-2活性化がさらにTRPV4 を活性化すること、(3)組織の浸透圧変化が、TRPV4の活性化に大きな役割を果たすこと、を証明し、これまで不明であった術後痛とTRPV4との関連性を見いだした。このことは、今後の術後痛管理に応用が期待できる。
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