研究課題
本年度はこれまでの結果をまとめ、『下顎前突症患者における周術期の閉塞性睡眠呼吸障害の評価とその予測因子』として、1例の患者が中等度睡眠呼吸障害と診断されたこと、術前ではAHIはREM期 1.8(0-21)でNREM 期0.2(0-9.7)よりも有意に高く、BMIが大きい患者ほどAHIが高いこと、周術期においてはREM睡眠は術後4日目に4例、術後7日目に3例で最も高く、pAHIは術後7日目に4例で最も高く、SPO2は術後3、4日目に3例、術後7日目に5名で最も低かったこと、BMIと術前のAHIが高いほど周術期の最高pAHI: 9.2(2.7-26.3)が高く、下顎前歯の上方移動量が少ないほど最低SPO2:87.7(74-94)が低かったことを報告した。『簡易型睡眠評価装置を用いた顎矯正手術の周術期における睡眠呼吸状態の評価』として、pAHI,pRDI,pODIはいずれも術当日に上昇した後に術翌日に減少し、術後3日目から再び上昇して7日目に最も上昇していたため、手術直後のみならず術後3日目以降の気道管理も重要と考えられたこと、BMIが大きい患者、下顎前歯の上方移動量が少ない患者、術前のAHIが大きい患者では特に術後の気道管理に注意が必要と報告した。『術後の睡眠呼吸障害を考慮した外科的矯正手術の周術期管理経験』『顎変形症患者におけるポリソムノグラフィーによる睡眠時咬筋活動の評価』として、顎変形症患者の睡眠時咬筋活動はNREM期、持続性より断続性、男性に断続性が多く、一部の患者では左右差が認められ、BMIの増加や睡眠呼吸障害との関連性が示唆されたことを報告した。また、研究全体を通して顎矯正手術の周術期における気道睡眠状態はこれまでほとんど不明であったが、REMリバウンドと関連する所見も得られたため、今後はさらに解析を進めていきたい。
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