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2017 年度 実績報告書

口腔硬組織欠損に対する修復促進作用を有する創保護材の開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K11312
研究機関京都大学

研究代表者

藤村 和磨  京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (30252399)

研究分担者 田村 佳代  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20378714) [辞退]
中尾 一祐  京都大学, 医学研究科, 助教 (40599932)
山口 昭彦  京都大学, 医学研究科, 講師 (50423942)
園部 純也  京都大学, 医学研究科, 講師 (50464219)
別所 和久  京都大学, 医学研究科, 教授 (90229138)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードLYDEX
研究実績の概要

平成27年からの3年間の期間内で、ラット下顎骨に直径2mmの骨欠損を形成し、LYDEXにFGF-2を添加した混合剤LYDEX-F(FGF-2 50マイクログラム/ml LYDEX)を充填し、術後1、3、8週(各々n=5)後に摘出して組織学的評価を行った。
組織学的評価では、LYDEX-F群では、組織切片での平均骨増生面積は、術後3週(評価可能であった検体数:n=4)では44%、8週(n=2)では67%であり、骨欠損部底部付近に周囲骨からの骨増生が観られた。コントロール群(LYDEX単独)では、術後3週(n=4)では8%、8週(n=3) では21%であった。この群は、本研究の前での骨欠損のみ作成して放置した群である自然治癒過程と骨増生能に差はなかった。
組織切片のALP活性染色による平均骨増生面積では、LYDEX-F群は、術後3週(n=4)で38%、8週(n=2)で12%であった。術後3週組織の方がALP活性が高かかった。これらの結果から、LYDEXは、単独での骨誘導能は認められなかった。しかし、LYDEX-F群では、3週から8週にかけて経時的に骨増生が観られ、8週では、コントロール群の1.5倍の増骨能を示していた。
まとめ: LYDEXは生体親和性をもち、抗菌作用を持っており、生体内で安静に保てる部位に応用すると、組織接着性があり、劣化分解時期を調節でき、また、FGF-2などのサイトカインとも混和でき、さらに徐々に分解するためDrug Delivery System (DDS) 作用も期待できる理想的な生体材料である。しかし、唾液や血液が存在すると組織接着性が全く無くなり、また、寒天状で脆いため咀嚼の振動で崩壊する欠点が明らかになった。LYDEXは、本研究では口腔内応用には適していないが、組織内でのDDS作用を活用した骨癒合などの臨床応用では有用であると思われた。

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公開日: 2018-12-17  

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