| 研究課題/領域番号 |
15K11317
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| 研究機関 | 名古屋市立大学 |
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研究代表者 |
和田 圭之進 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10533755)
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| 研究分担者 |
尾島 泰公 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40403240)
渋谷 恭之 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90335430)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 顎骨欠損 / 骨再生 |
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| 研究実績の概要 |
骨欠損の修復は再建外科における重要課題の一つであるが、ドナーへの手術侵襲が大きいために患者の負担を強いることが多く、また欠損前の元通りの顎形態に再現することが非常に難しいという問題点が挙げられてきた。そこで本研究では、細胞接着性に優れる新規担体を用いた自家骨髄間質細胞培養系と自家培養骨膜を組み合わせる新しい骨再生法の有用性を検討し、摘出骨と同形態の骨を再生させることを目標としている。そのためには①骨髄間質細胞培養系に加えて、②新規細胞担体の開発、③新技術による培養骨膜の精製の3つを柱とした再生医学的手法への取り組みを課題としており、まずはチタンメッシュのスキャホールドとしての有用性を確認するために動物実験を行った。実験動物としてはウサギを用い、その頭蓋骨にチタンメッシュを円柱状に加工して植立し、非脱灰研磨標本を作製して、月単位で経時的に組織学的観察を行った。次にスキャホールドと同時に自己の血小板や白血球由来のPDGF-AB（血小板由来増殖因子）、TGF-β（トランスフォーミング増殖因子）、IGF-1（インスリン様成長因子）、EGF（表皮増殖因子）、VEGF（血管内皮細胞成長因子）などの成長因子やサイトカインを多く含み、軟組織および硬組織の組織修復を促進する多血小板フィブリン(Platelet-rich fibrin; PRF)を膜状に加工し、新規ゼラチンスポンジの代替として活用できるかを検討するために、ウサギ頭蓋骨に植立したチタンメッシュ内にPRFを膜状に加工したものを設置し、非脱灰研磨標本を作製して、月単位で経時的に組織学的観察を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初代骨髄間質細胞を担体である新規ゼラチンスポンジに播種して一定条件下で骨芽細胞へ分化誘導する作業と自家培養骨膜の作製において大きな遅れを認めている。その一方で、ウサギにおける顎骨欠損モデルの作製は順調に進んでおり、ウサギ頭蓋骨に植立したチタンメッシュ内に成長因子やサイトカインを多く含む多血小板フィブリン（PRF）を膜状に加工し、ある意味では自家培養骨膜の代替として使用できるPRF膜を用いた組織学的な経過観察において十分な結果を得ている。
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| 今後の研究の推進方策 |
Platelet-rich fibrinを骨形成におけるスキャホールドとして有用性を検討するために「Guided Bone RegenerationにおけるPlatelet-rich fibrinの有用性」というタイトルでウサギの動物実験モデルを作製し、当大学の動物倫理委員会の承認を受けた。本実験では、スキャホールドとしての有用性を検討するために、培養骨膜やコラーゲンメンブレンではなくチタンメッシュを加工し使用している。現在19匹へチタンメッシュ留置を施行しており、1匹死亡、2匹は既に検体摘出（１検体はすでに標本スライドとしている）、16匹飼育中となっている。予定として、4月に5匹、5月に7匹、6月に4匹検体を摘出予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、細胞接着性に優れた新規担体を用いた自家骨髄間質細胞培養系と自家培養骨膜の作製が必要であるが、その作業に遅れが生じたために、全体の研究進捗が遅れている。そのために平成27年度の予算に余りが生じている。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には当大学の動物倫理委員会の承認も得ることができ、ウサギの動物実験モデルが使用可能となっている。そのために動物購入費などにおいて平成27年度に未使用であった研究費を使用しながら、当初予定していた平成28年度の骨再生に関する研究においても予算通りの遂行が可能な状況となっている。
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