研究課題/領域番号 |
15K11328
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
河原 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10186124)
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研究分担者 |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
山本 徹 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20707335) [辞退]
阿部 佳子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30401334) [辞退]
山田 麻記子 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (20556526)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ストレス / 静脈内鎮静法 / マイクロダイアリシス / 抗不安薬 / 鎮静薬 |
研究実績の概要 |
歯科治療がストレッサーとして生体に受容される過程と静脈内鎮静法の作用発現に重要なニューラルネットワークである①ストレッサーを認識・認知するネットワーク②不安や恐れなどのいわゆる陰性情動の発現に関係するネットワークについて検討をおこなった. 研究にはWistar系ラットを用い,神経科学的研究手法である脳マイクロダイアリシス(微小透析法)によってネットワークを構成する神経系の神経活動に伴って神経シナプス間隙に放出される神経伝達物質量の変動を観察した.ラットに負荷するストレッサーとしては,従来の多くの研究で用いられてきた再現性の高いストレスとして,Handling stress (Science 286:1155-1158 2005. Francis D. et al. ヒトの手によるハンドリングを10分程度行うもの,中等度の情動ストレスを引き起こす)とした. 研究対象とする静脈内鎮静法薬は,現在最も広く用いられているミダゾラムとプロポフォール,デクスメデトミジンの3種類とし,マイクロダイアリシスによってサンプリングした神経シナプス間隙中の神経伝達物質は,高速液体クロマトグラフィー・電気化学検出器によって定量した. その結果,Handling stressによって,ストレッサーを認識・認知するネットワークと認知するネットワークのモノアミン神経系活動が亢進すること,ミダゾラムとプロポフォールがその神経系活動亢進を抑制が,デクスメデトミジンは,その神経系活動亢進を抑制しないことを観察した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯科治療がストレッサーとして生体に受容される過程と静脈内鎮静法の作用発現に重要なニューラルネットワークとして,①ストレッサーを認識・認知するネットワーク②不安や恐れなどのいわゆる陰性情動の発現に関係するネットワーク③循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応調節に関係するネットワーク④ストレッサーを学習し記憶するネットワーク,以上の4つのニューラルネットワークのうち,現在までに,①ストレッサーを認識・認知するネットワーク②不安や恐れなどのいわゆる陰性情動の発現に関係するネットワークに関する検討を行った. また,静脈内鎮静法薬として,ミダゾラム,プロポフォールデクスメデトミジンの3種類の薬物について検討を行い,おおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
歯科治療がストレッサーとして生体に受容される過程と静脈内鎮静法の作用発現に重要なニューラルネットワークである①ストレッサーを認識・認知するネットワーク②不安や恐れなどのいわゆる陰性情動の発現に関係するネットワーク③循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応調節に関係するネットワーク④ストレッサーを学習し記憶するネットワーク,以上の4つのニューラルネットワークのうち,今後は③循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応調節に関係するネットワーク④ストレッサーを学習し記憶するネットワーク,について検討を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
マイクロダイアリシス用消耗品について,当初予定していた金額よりも安価に購入することができたため,差額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に使用する高速液体クロマトグラフィー用分離カラム購入に充当する予定である.
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