鎖骨頭蓋異形成症は、Runx2を原因遺伝子とする常染色体性優性遺伝形式を示す先天異常であるが、同症患者の歯の移動に関しての詳細は不明である。本研究では、鎖骨頭蓋異形成症の病態モデルであるRunx2ヘテロ欠損マウスを用いて実験的歯の移動実験を行ったところ、Runx2ヘテロ欠損マウスは、野生型マウスに比べて歯の移動距離と歯の移動による類骨形成が遅延、低下していた。さらに、Runx2ヘテロ欠損マウス由来骨髄間質細胞に機械的伸展力を負荷すると、野生型マウス由来細胞に比べて、伸展によるDNA量、ALP活性、カルシウム産生量、OSC遺伝子の発現が遅延し低下していることが明らかとなった。
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