研究課題/領域番号 |
15K11336
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清流 正弘 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80510023)
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研究分担者 |
山本 照子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00127250)
竹下 信郎 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50431515)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯科矯正学 |
研究実績の概要 |
唇顎口蓋裂患者の顎裂部に対する骨修復は歯科、整形外科分野における重要な課題である。Tissue Engineeringによる組織の再生は、細胞の足場(scaffold)、細胞、増殖分化因子の3つの重要な役割に加え、各種増殖分化因子の放出期間をコントロールする徐放化キャリア(担体)の併用が必須である。リン酸化プルランは、骨や歯に対して強固に接着し、生体内で吸収されることから、接着性を有する人工骨の材料としての実用化が期待されている。また、iPS細胞から骨芽細胞への分化や、組織幹細胞としての性質を備えている神経堤様細胞(NCLC)への誘導が報告されている。本研究は、iPS細胞から誘導した骨芽細胞や神経堤様細胞(NCLC)と徐放化キャリアであるリン酸化プルランが骨再生へ及ぼす影響を動物実験にて検証する。 平成27年度は、骨組織再生誘導補填材の条件を決定するために、マウスiPS細胞の培養と神経堤様細胞(NCLC)の誘導を行った。Otsuらの報告(Otsu K et al. Stem Cells Dev. 2012)に準じて、iPS細胞から神経堤様細胞の誘導に成功した。また、マウス頭蓋骨欠損モデルを作製し、様々な組み合わせのTCP scaffold、NCLC、増殖分化因子、リン酸化プルランを埋入した。埋入後4、12週に各群から2匹ずつ屠殺を行い、動物用CT撮影後、抜歯窩および歯周組織の凍結ブロックを作製し、非脱灰凍結切片の骨標本を、粘着フィルムを用いた川本法によって作製した。現在、新生骨形成過程を動物用CT、組織定量学的に解析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、マウス頭蓋骨欠損モデルに様々な組み合わせのTCP scaffold、NCLC、増殖分化因子、リン酸化プルランを埋入し、新生骨形成過程を動物用CT、組織定量学的、遺伝組織学的に評価するところまで終了する予定であったが、マウスiPS細胞の培養から神経堤様細胞(NCLC)への誘導、マウス頭蓋骨欠損モデルの作製に時間を要し、やや遅れている。現在動物(マウス)実験は終了し、解析を行っている所であり、その後の進行は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
マウス頭蓋骨欠損モデルにおける解析を終了後、平成28年度は実験計画通り、ラット顎裂モデルを用いた効果の検証を行う予定である。すでにラット顎裂モデルの作製には成功していることから、予定通りの進行が予想される。
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