研究課題/領域番号 |
15K11338
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小海 暁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50431937)
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研究分担者 |
米満 郁男 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, その他 (00431940)
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 鼻呼吸障害 / 鼻閉 / 電気生理 / 舌 / 大脳皮質一次運動野 / 体性感覚 / 成長期 / 筋線維 |
研究実績の概要 |
鼻呼吸障害は、顎顔面領域の成長発育障害や生理機能の障害を引き起こすが、特に成長期では、口腔感覚を制御する末梢・中枢神経系の健全な発育に対して多大は影響が与えられることが示唆されている。呼吸障害により最も影響を受ける組織として舌が挙げられるが、舌は呼吸・咀嚼・嚥下発音などに関与する多機能器官であり、歯列にも多大な影響を与えることが報告されている。そこで本研究は、成長期鼻呼吸障害に伴う舌運動制御メカニズムの変調について末梢および中枢の両側面から解明することを目標としている。 今年度は、鼻閉モデルラットを用いて、成長期の鼻閉が大脳皮質一次運動野顎顔面領域(face-M1)の機能局在に与える影響について引き続き検討を行った。皮質内微小電気刺激(ICMS)により誘発される舌運動および顎運動について、オトガイ舌筋(GG)および左右顎二腹筋(LAD,RAD)より筋電図(EMG)を用いることで記録を行った。結果として、片側鼻閉処置を行った実験群ラットの経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は対照群に対して有意に減少した。また、実験群のICMS陽性部位数総和は対照群に対して有意に小さい値を示した。本研究の結果から、成長期における鼻呼吸障害は、呼吸動態を変化し、顎顔面領域の形態のみならずface-M1の発達にも影響を与えることが明らかとなった。 また、初年度から引き続き行っている鼻閉に伴う舌の機能評価について、本年度は成長期の鼻閉がオトガイ舌筋の筋組成に与える影響について検討を行った。8日齢で鼻閉したラットによる実験結果として、鼻閉群では速筋の断面積・直径、タイプⅡa線維の断面積、タイプⅡb線維の直径が7、9週齢で増加し、タイプⅡa線維の直径、タイプⅡb線維の断面積は、5、7、9週齢で増加が認められた。以上の結果から、出生直後の鼻閉により筋線維の直径・断面積が増加することが明らかとなった。
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