研究課題/領域番号 |
15K11340
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
辻 美千子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90345281)
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研究分担者 |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70251535)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (90187732)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 先天異常疾患 / 特異的顔貌 / 定量的評価 |
研究実績の概要 |
形態異常はその大部分が連続形質(例:つり上った眼、低い鼻、への字の口など)であるために、主観的表現になってしまうことが多い。また先天異常疾患の頻度は極めて低いため、実際に遭遇する機会は少なく、形態異常などの臨床症状を正確に把握できる経験豊富な医療従事者は極めて少ないのが現状である。よって、先天異常疾患の形態異常(表現型)に関する記述は曖昧で、正確でないことも多い。今後、遺伝子解析の進歩に伴い、先天異常疾患の表現型を客観的に捉えることは、遺伝子型/表現型の関連を解析するにあたり、大変重要であることは言うまでもない。先天異常疾患患者から顔貌の三次元顔貌データを獲得し、先天異常疾患固有の三次元バーチャルフェイスを合成し、健常者のそれと比較することができれば、先天異常疾患固有の形態異常を定量的に把握することが可能となり、遺伝子型/表現型の関連への解明につながる。 多くの先天異常患者を有する当分野の症例を用いて、顔貌の三次元情報から先天異常疾患に特有のバーチャルフェイスを合成し、同様に合成した健常者のバーチャルフェイスと比較・分析することで、疾患固有の頭蓋顔面部の特徴を定量的に抽出することを本課題の目的とする。 資料提供者として、歯学部附属病院矯正歯科外来に通院中の顎顔面領域に何らかの異常を認める先天異常疾患患者、また必ずしも矯正治療を希望しないボランティアの方々も対象とする。本研究の目的と趣旨を十分説明し、同意の取得と確認を行い、同意の確認が行えた場合に限り、三次元顔貌データを収集する。当分野に来院される先天性疾患を有する患者は年間およそ50人である。すべての患者から資料を採得するのは困難であると考えられるため、目標とする症例数は年間25症例とする。またコントロールとして、一般矯正治療患者25症例の三次元データも収集する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料提供者として、歯学部附属病院矯正歯科外来に通院中の顎顔面領域に何らかの異常を認める先天異常疾患患者、また必ずしも矯正治療を希望しないボランティアの方々も対象とするが、先天異常疾患は頻度が少ないため、資料を採取できる対象患者がなかなか収集できない。
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今後の研究の推進方策 |
矯正治療の保険適用の先天異常疾患のうち、来院頻度の高いダウン症候群、ターナー症候群、鎖骨頭蓋異形成症患者および先天異常疾患を持たない健常者に研究の主旨を説明し、同意を得た上で(同意書を作成)、頭蓋顔面をスキャニングし、顔貌の三次元計測を行う。さらに三次元データを解析する分析ソフトウエアを用い、疾患特有の三次元バーチャル顔貌を作成し、疾患の特徴を抽出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
三次元データを解析するためのソフトウエアを購入予定であるが、今回の研究に合わせて現在カスタマイズを依頼している関係上、まだ購入できていない。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、三次元データ解析ソフト(3D-Rugle III(メディックエンジニアリング(株))とPCを購入予定である。
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