研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、外科的矯正治療による顎顔面形態の改善に伴う咽頭気道の拡大と咬合の改善が睡眠時無呼吸と胃食道逆流に及ぼす効果を縦断的に調べ、解明することである。しかし、上顎劣成長や下顎劣成長を呈する患者に対して、上顎骨や下顎骨の前方移動を計画することが少ないことに加えて、標準睡眠時ポリグラフ検査や内視鏡検査は身体的負担が大きく、被験者の獲得が困難であった。そこで、鼻腔の開存性や通気性と顎顔面形態との関連を横断的に調査するため、2017年度から音響鼻腔計測法と鼻腔通気度検査を追加し、50名の被検者に対して調査を行ったが、鼻腔の開存性や通気性と顎顔面形態との関連は認められなかった。
歯科矯正学
現在、OSAに対して下顎を前方誘導する可撤式の口腔内装置や、GERDに対して薬物療法などの対症療法が行われている。外科的矯正治療が上下顎骨の劣成長に起因する咽頭気道の狭窄を改善することで、睡眠呼吸障害や上部消化管疾患に対する治療効果が解明されれば、呼吸器内科及び消化器内科との隣接領域において歯科が主体となって行う根本療法が将来期待できると考え、鼻腔の開存性や通気性と顎顔面形態との関連について合計50名に対して検証したが、それらの間に関連は認められなかった。