研究課題
基盤研究(C)
唇顎口蓋裂患者では、口蓋形成手術後に生じる瘢痕組織が、上顎骨の劣成長を引き起こすことが知られている。本研究は創傷治癒時の瘢痕収縮におけるTGF-βシグナリングとTRPチャネルの役割について明らかにすることを目的とした。皮膚創傷治癒モデルを作製し、経時的なゲルの収縮を計測した。さらに、TRPV1~4の阻害薬を用いて、皮膚創傷治癒モデルに対する作用を検討した。その結果、TRPV2阻害薬はゲルの収縮を有意に抑制し、筋線維芽細胞マーカーであるα-SMAの発現およびケラチノサイトからのTGF-β1の放出を有意に抑制した。このことから、創傷治癒時の瘢痕収縮にTRPV2の関与が示唆された。
歯科矯正学