研究分担者 |
藤原 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00228975)
星野 倫範 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00359960) [辞退]
釜崎 陽子 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (30253678)
佐藤 恭子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (70404499)
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研究実績の概要 |
(1)遺伝子解析:1.DNA採取:OFCD症候群患児から唾液採取.Orangene/DNA®によりゲノムDNA精製 2.DNAシーケンス(北海道システムサイエンス社委託) 3.遺伝子分析:BCOR(GenBank AF317391)と比較、本患児のフレームシフト突然変異を認めた.(c.2559insA) (2)歯髄培養 1.歯髄細胞培養保存:OFCD症候群児から未歯根吸収の下顎乳犬歯、コントロール群として歯根吸収初期の乳歯,交換期の歯根吸収大の乳歯、矯正便宜抜去根未完成永久歯について同意を得た後に抜歯、歯髄細胞を採取・培養保存した.2.歯髄細胞増殖能の検討:それぞれ第一継代細胞にて細胞増殖試験を行った結果、患児歯髄細胞の増殖能が最も高かった.3.破骨細胞能の比較:それぞれをRANKL,M-CSFが添加された破骨細胞分化培地で培養し、TRAP染色にて破骨細胞分化能について比較した結果、コントロール群では破骨細胞が分化されたものの患児歯髄細胞ではTRAP染色が全くされなかった.このことからOFCD症候群の歯髄細胞は破骨細胞分化能が極端に低いと示唆された.4.骨芽細胞分化能の比較:それぞれを, Ascobic Acid, Hydrocortisone, β-Glycerophosphateが添加された骨芽細胞分化培地で培養し、ALP染色を行い骨芽細胞分化能の比較をしたところ、コントロール群では骨芽細胞が分化されたものの患児歯髄細胞では分化を認めなかった.5.各歯髄細胞からRNA抽出:破骨細胞形成能、骨芽細胞形成能、間葉系幹細胞存在の有無をRT-PCRにて比較するための各歯髄細胞より得られたRNAを凍結保存している. (3)歯の形態解析:患児の乳歯は優位に歯根長が長かった.通常は交換期で脱落期に近い乳歯であるが歯根吸収を全く認めなかった.
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今後の研究の推進方策 |
(1)骨芽細胞、破骨細胞分化マーカーを用いて(RANK,ANKLE, OPG, ALP, M-CSF,BMP,RUNKS,OCN,OCT)DNAレベルで比較検討する.また歯根形成継続の理由を解析するために間葉系幹細胞評価プライマー(DPPA5,Nanog,Oct-3/4,SOX2,Otx2,AFP,SOX17)を用いて評価する.本項目については研究者の技量が不足していた部分が大きく、分担者に協力を仰ぎ遂行する. (2)日本小児歯科学会2018年5月10,11日(大阪)にてポスター発表を行う.また論文は再投稿予定で内容訂正中である.
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