研究課題/領域番号 |
15K11376
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
野田 晃司 鶴見大学, 歯学部, 臨床教授 (10148059)
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研究分担者 |
宮本 豊 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (00633588)
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10097321)
和田 悟史 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20581119)
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30333826)
石川 美佐緒 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90582445)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マイクロRNA / 歯根膜細胞 / 歯の移動 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨形成 / 骨吸収 / サイトカイン |
研究実績の概要 |
歯槽骨には日常的に咬合咀嚼力が負荷されているが、骨吸収・骨形成のバランスを保ち健全な歯槽骨を維持している。また歯科矯正治療では歯に持続的機械刺激を負荷して、歯根周囲圧迫側で骨吸収、伸展側で骨形成を惹起させて、歯の移動を行う。これら歯槽骨骨代謝において、機械刺激感受とその反応制御に歯根膜細胞が重要な役割を果たしていると言われている。しかしなぜ機械刺激の種類によって反応が異なるのか、さらには各機械刺激の感受機構および細胞内シグナル伝達の相違は不明である。 近年、植物細胞や血管内皮細胞で機械刺激によりmicro RNA発現が変化し、それが機械刺激への反応に重要な役割を担うことが報告されていることから、歯根膜細胞でもmicro RNA発現変化が機械刺激感受に重要な役割を果たしていることが推察される。 本研究は、各機械刺激感受におけるmicro RNA(miRNA)の役割を解明することを目的として研究を遂行した。 はじめに、歯根膜細胞が各機械刺激を感受した場合のmiRNA発現についてmiRNAアレイを用いた網羅的発現解析を行った。コントロール・伸展刺激・圧縮刺激間で比較を行い、2倍以上の発現変動がみられるmiRNAを抽出した。これら変動がみられるmiRNAのうち、miRNA標的遺伝子データベース(miRBase)で標的遺伝子候補として骨代謝関連遺伝子があるものを選択し、miRNAアレイを用いた網羅的発現解析で得られた結果をリアルタイムPCR法にて再確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、アレイ解析の結果についてリアルタイムPCRで確認を行っている。アレイ解析とリアルタイムPCRの結果がほぼ同じような結果が得られていることから、歯根膜細胞への各機械刺激負荷によるmiRNAの変動については正確に把握ができているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
各機械刺激により発現変化が見られたmiRNAの機能を、特に機械刺激シグナル伝達における役割について明らかとすべく、miRNAミミックとmiRNAインヒビターを用いてgain of function およびloss of function実験を行う。 さらにその結果についてin vivoで確認を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が1345円と、研究遂行に必要な試薬を購入するには不十分であるため、無理に使い切らずに次年度に有効活用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
遺伝子発現解析に必要な試薬購入に用いる。
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