研究課題/領域番号 |
15K11380
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小牧 基浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30401368)
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研究分担者 |
岩崎 剣吾 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, その他 (40401351) [辞退]
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60100129) [辞退]
和泉 雄一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60159803) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | exosome / mesenchymal stem cell / angiogenesis / Placenta |
研究実績の概要 |
平成27年度、28年度の実験結果より、in vitroにおけるヒト胎盤由来間葉系幹細胞エクソソームの効果は、歯周組織構成細胞である歯根膜幹細胞、セメント芽細胞、骨芽細胞の細胞増殖、遊走に対する統計学的有意差は効果は認められるものの、それ以上に血管内皮細胞への効果が大きかったためヒト胎盤由来間葉系幹細胞エクソソームの血管新生作用について検討した。in vitroではエクソソームの血管内皮細胞への取込、取り込み後の血管新生関連遺伝子の変化、血管内皮細胞によるネットワーク形成について検討した。in vivoにおいては、マウス耳介損傷モデルを新たに確立し、ヒト胎盤由来間葉系幹細胞エクソソームの血流増加に及ぼす影響をレーザードップラー血流測定装置を用いて検討した。結果、エクソソームは血管内皮細胞に2時間以内に取り込まれること、血管新生関連遺伝子発現を有意に上昇されること、血管内皮細胞のネットワーク形成ならびに維持を促進すること、耳介血管縫合による虚血に対してエクソソームを投与により投与後3日、6日後に対照群に対して有意に血流を増加させた。以上の結果よりヒト胎盤由来間葉系幹細胞エクソソームがin vitro および in vivo において血管新生促進作用があることを明らかにし、国際誌に発表した。(Stem Cell Res Ther. 2017 Oct 3;8(1):219. doi: 10.1186/s13287-017-0660-9) また、ヒト胎盤由来間葉系幹細胞エクソソームの細胞分化応答に対する作用、具体的には分化誘導刺激により線維芽細胞が骨芽細胞、脂肪細胞に分化するメカニズムについてmicro RNA (miR)アレイとpatyway解析を行い、候補miRについてそのインヒビターを作製し、検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年7月研究機関変更に伴う環境整備のため研究実施に遅れが出た。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施期間を1年延長、新たな研究機関での研究費施行手続きを行った。また、新規研究機関の実験設備等を鑑みて他の研究施設との共同研究実施のために必要な動物実験許可を取得し、病原体等の安全な取扱管理に関する講習、化学物質取扱い講習、組み換えDNA実験従事者講習会を受講した。今後、新たな動物実験系を用いた評価系を確立するとともに、これまでの研究成果の国際誌への発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
異動(研究機関の変更)のため研究を実施することが困難であった為。 大型動物を用いた新規実験系確立に必要な器材、miRNA等の解析試薬等の購入ならびに論文校正、研究打合せ、学会における情報収集に使用する。
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