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2015 年度 実施状況報告書

クロフィブラートのIL-1Ra産生と実験的歯周炎抑制効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K11402
研究機関松本歯科大学

研究代表者

石原 裕一  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50261011)

研究分担者 吉成 伸夫  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
小出 雅則  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードインターロイキン1 / インターロイキン1レセプターアンタゴニスト / クロフィブラート / 高脂血症治療薬 / 実験的歯周炎
研究実績の概要

歯周病の発症と進行に炎症性サイトカインが深く関与している。歯周病のように局所の炎症性骨吸収を伴うリウマチ性間接炎に対して,生物製剤(抗サイトカイン抗体など)を応用され良好な治療成績が得られるようになった。しかし,生物製剤はコストが高く,歯周病患者には医療経済的に応用することは不可能ではないか。近年,高脂血症治療薬クロフィブラートをマウスに経口投与したところ、間接的に抗炎症性サイトカインの一つであるIL-1Ra産生に働くことが報告されている。そこで申請者はクロフィブラートの抗炎症作用(IL-1Ra産生)に着目し歯周治療応用の可能性を細胞実験と動物実験により検討したいと考え, マウスマクロファージRAW 264.7 細胞の培地中にクロフィブラートを添加したところ、添加したクロフィブラート濃度に依存して有意にIL-1Ra遺伝子発現上昇することが明らかとなった。そこでマクロファージ細胞をポジティブコントロールとして他の細胞を使って調べているところである。
28年度に実験的歯周炎マウスに対するクロフィブラートの抗炎症作用を調べられるよう動物ならびにクロフィブラート含有資料の準備を行っている。またこれまでの細菌感染による実験的歯周炎モデルの作製において、近交系マウスでは困難な場合が考えられるため、臼歯に縫合糸を結紮することによる歯周炎モデルの作製も検討している。
27年度は研究成果として、IL-1Raは歯周炎局所において、炎症性骨吸収の抑制だけでなく、上皮の歯との接着において、コラゲナーゼー3の産生をも制御し、間接的に細胞外マトリックスタンパクであるラミニンー5の産生に重要であることを明らかとし、公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞実験については、計画通り進められているが、実験的歯周炎を惹起するマウスが現在の飼育環境で計画通り繁殖していないため、下記の対応策を実施することにより当初の計画通り研究を進めたいと考えている。
1.マウスの系統を近交系に変更し、縫合糸の結紮による歯周炎モデルの可能性を検討する。
2.使用予定の遺伝子改変マウスを追加供給できるよう手配中である。(実験可能匹数を確保するのに時間がかかることが懸念される)

今後の研究の推進方策

基本的に当初の研究計画通り進める予定である。研究計画ではクロフィブラートのみを対象として研究を進める予定だが、高脂血症治療薬として、もっとも臨床応用されているスタチンについても抗炎症可能性を探りたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Interleukin-1 Receptor Antagonist Has a Novel Function in the Regulation of Matrix Metalloproteinase-13 Expression.2015

    • 著者名/発表者名
      Goto H, Ishihara Y, Kikuchi T, Izawa A, Ozeki N, Kamiya Y, Ozawa Y, Mizutani H, Yamamoto G, Mogi M, Nakata K, Maeda H, Noguchi T, Mitani A.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 10 ページ: ---------

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0140942

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Adhesion Properties of Human Oral Epithelial-Derived Cells to Zirconia.2015

    • 著者名/発表者名
      Okabe E, Ishihara Y, Kikuchi T, Izawa A, Kobayashi S, Goto H, Kamiya Y, Sasaki K, Ban S, Noguchi T, Kawai T, Mitani A.
    • 雑誌名

      Clin Implant Dent Relat Res.

      巻: 10 ページ: ---------

    • DOI

      DOI: 10.1111/cid.12369

    • 査読あり
  • [学会発表] Adhesion properties of human oral epithelial-derived cells to zirconia2015

    • 著者名/発表者名
      Okabe E, Ishihara Y, Kikuchi T, Izawa A, Kobayashi S, Goto H, Kamiya Y, Ban S, Noguchi T, Kawai T and Mitani A
    • 学会等名
      第63回国際歯科研究会日本部会総会・学術総会
    • 発表場所
      福岡 福岡国際会議場
    • 年月日
      2015-10-30 – 2015-10-31
  • [学会発表] ジルコニアに対するヒト口腔由来上皮細胞の付着特性2015

    • 著者名/発表者名
      郎,石原裕一,菊池 毅,伊澤有郎,小林周一郎,後藤久嗣,神谷洋介,伴 清治,野口俊英,河合逹志,三谷章雄
    • 学会等名
      第58回秋季日本歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      浜松 アクトシティ浜松
    • 年月日
      2015-09-12 – 2015-09-13

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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