研究課題/領域番号 |
15K11414
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
片岡 広太 岡山大学, 大学病院, 助教 (80744185)
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研究分担者 |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
江國 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
友藤 孝明 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80335629)
東 哲司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80432649)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 酸化ストレス / 歯周病 / 妊娠 / 分子イメージング |
研究実績の概要 |
本研究は、歯周病による酸化ストレスと胎児発育との関係を調べることを目的としている。本年度の目標は胎児の発育状態の評価方法を検討することとした。雌の酸化ストレス可視化マウス(Tg型OKD-Lucマウス)を歯周病群と対照群の2群に分けた。歯周病群には全身麻酔下でマウスの下顎臼歯に絹糸を巻き、歯周病を惹起させた。対照群には歯周病群と同様に麻酔のみをかけた。歯周病を惹起から10日後、マウスの雌雄をメイティングし、毎日妊娠の有無を調べ、膣栓が確認された日を妊娠0.5日とした。メイティング直前をbaselineとし、膣栓を確認してから7日後、14日後にそれぞれ酸化ストレスの分布を撮影した。撮影時にはルシフェリン(15mg/mL,0.01mL/g)を腹腔内に注射した。10分以内にルミノメーター(Lumazone,日本ローパー,東京)を用いて,発光状態を撮影した。Luminescence imageを作成して,単位面積あたりの発光量を計算した。また、19日後に母体を屠殺し、胎児および胎盤を摘出した。胎児発育の指標として、胎児のcrown-rump length、胎盤中の酸化ストレスとしてマロンジアルデヒトをELISA法で計測することとした。 その結果、7日後では歯周病群では、対照群と比べ腹部の発光が強い傾向にあったが、14日後では特に有意差が認められなかった。また対照群では予定通り胎児サンプルを採取各種項目が計測できたが、歯周病群では19日以前に出産が起こり、サンプルを採取できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
酸化ストレスの計測において、胎児の発光能に遺伝子型の確認が必要である。また歯周病群では胎児が早く生まれる傾向にあり、胎児サンプルを採取できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
歯周病モデルマウスの妊娠においては早産等のリスクについては回避が難しいと考えられる。屠殺のスケジュールについては、少し早い段階に切り替える必要がある。また、十分なサンプル数を確保や、妊娠の確率をあげるため、飼育数を増加させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
早産の影響で、予定していた解析分の経費が使用できなかった。次年度も実験用動物、飼料、および麻酔薬が必要である。また、酸化ストレスマーカーを検出するために必要なELISAキットが高額であるため、その費用が不可欠となる。同様に、他の酸化ストレスや炎症の指標を評価するために、消耗品の購入も欠かせない。
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次年度使用額の使用計画 |
条件がある程度そろった可視化マウス雌12匹、雄24匹以上を飼育するための飼料、また実験時に使用する麻酔 酸化ストレスマーカー(MDA 8-OHdG等)ELISAキット、炎症の指標(高感度CRP、TNF-α)の測定キットを購入予定である。
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