研究課題/領域番号 |
15K11423
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40295861)
|
研究分担者 |
有吉 渉 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (40405551)
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
沖永 敏則 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60582773)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 栄養 / 菌叢解析 / 口腔ケア |
研究実績の概要 |
福岡県久山町の研究において、対象者2343人の口腔内から唾液を採取し、16S rRNAにより口腔内細菌を系統的分類した。重回帰分析の結果から、系統分類の多様性(PD: phylogenetic diversity)が低いほど、口腔の健康度(プラーク指数、未処置う歯、歯肉出血、および喫煙習慣)は高かった。また、PDは歯の喪失とも関連があった。これらの結果から、口腔細菌叢と口腔の健康との関連を大規模調査の結果に基づきで明示することができた。 嚥下機能と健康の関連についても調査を行った。居宅の60歳以上の地域住民を対象とした調査では、低栄養でない者であっても、嚥下機能が低下していると、咀嚼・嚥下可能な食品数が限定されるため、1年後に栄養状態が低下していた。これに加えて、高齢者施設入所者を対象とした調査では、舌刺激・清掃を加えた介入群では、対照群と比べて最大呼気流量が有意に増加することがわかったことから、口腔ケア時に舌に刺激を与えることで肺の機能ないしは咳嗽力が向上し、誤嚥性肺炎を予防することができる可能性が示唆された。熊本県での1377名の65歳以上の地域住民を対象とした調査では、介護認定者で主観的健康観の高い群、介護認定者で主観的健康観の低い群、介護非認定者で主観的健康観の高い群、介護非認定者で主観的健康観の低い群の4群間で、主観的な咀嚼機能との関連を解析したところ、介護非認定者で主観的健康観の高い群では、主観的な咀嚼機能の高いものの割合が72.7%であり、他の群と比べて有意に割合が高かったことから、主観的咀嚼機能は、地域で暮らす高齢者の自立度と関連があることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
運動の負荷に関するボランティアが統計解析に必要な人数分集まらなかったため血液データの検討が進んでいない
|
今後の研究の推進方策 |
運動負荷にかかる対象者を高齢者施設の入所者に限定し、運動負荷も軽微にして実施するよう研究デザインを再考する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
運動に関するボランティが平成28年度までに十分集まらなかったため、血液解析を行わなかったため
|
次年度使用額の使用計画 |
研究対象について一部見直して、血液データの解析を行う。
|