2014年に東日本震災津波被災地に居住する60歳以上の住民を対象として口腔カンジダ菌の検出を行い、その1年後に同様の追跡調査を行った。初回調査の結果、口腔カンジダ菌の保有率は60%以上であった。口腔カンジダ菌のうち、C. albicansとそれ以外のカンジダ菌では定着要因が異なり、前者では長期の避難状況が関与していた。それに対し後者では残存歯数や義歯装着の関与が大きかった。2調査時点の比較から、両時点ともに安定して検出されるためには、ある程度以上の菌量を保有していることが必要であった。これらの結果は高齢者や周術期の口腔ケア計画立案に際して考慮すべき事項と考えられる。
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