研究課題
本研究では「鶏血藤を用いた歯周組織破壊に対する改善効果と歯周病予防薬の開発に関する研究」を目的として以下の研究を遂行した。 歯周病における歯肉微小循環の変化を解析する目的で、レーザードップラー血流系を用いて歯周病モデルマウスと鶏血藤を投与したマウスの歯肉微小循環の破壊の程度を比較検討した。歯周病モデルマウスにおいては歯周病原菌であるP.gingivalis投与6週間ほどで歯槽骨の吸収及びを認めたが8%鶏血藤抽出液を投与したマウスの歯槽骨の吸収はコントロールに近いレベルまで抑制された。また、血管鋳型標本を用いて歯周病モデルマウスと鶏血藤を投与したマウスの歯肉微小循環の形態変化を比較検討した。実態顕微鏡および電子顕微鏡観察下において、歯周病モデルマウスにおいては歯周病原菌であるP.gingivalis投与3週目ほどで血管網の減少が認められ、6週目ほどで血管網の減少のみならず、既存血管網の萎縮が著しく認められたが、8%鶏血藤抽出液を投与したマウスの血管網の破壊や委縮は認められず、コントロールに近いレベルまで血管網の温存が認められた。以上のことから、鶏血藤はヒドロキシラジカル、スーパーオキシドに対する抗酸化作用を有し、歯槽骨吸収抑制効果のみならず、歯肉微小循環の破壊を抑制することが示唆された。これまでの結果から、より効果的に歯周病治療を行う際に鶏血藤を用いることが有効であることが示唆されたため、今後の臨床応用に期待したい。
すべて 2017 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Scientific Report
巻: 7 ページ: 1-9
10.1038/s41598-017-05706-1
http://www.labs.kdu.ac.jp/pmd/